体操をする女性

長時間のデスクワークや運動不足をかかえる多くの現代人は体が凝り固まってしまっています。そんな状態ではトレーニングを行っても効果は出にくいですし、そもそも毎日の疲労から抜け出すことができないでしょう。

しかし、簡単なストレッチを日々行うことでマイナス状態の体もゼロの体に戻すことが可能です。そして、さらに体の動かし方に意識を向けることによって、ゼロになるだけではなくプラスの快適な体にすることも!

快適な体を手に入れるということは、普段の生活を送るうえでとても大切なことです。しかし、いくら快適な体になると言われても、難しい動作や面倒なことであれば覚えるのもちょっと…とやる気が起きなくなってしまうことでしょう。

そこで今回は、誰もが知っている「おなじみ」で「簡単」な動作を少しだけアレンジしたストレッチ(体操)をご紹介いたします。

おなじみの動きといえば「ラジオ体操」

誰でも知っている運動と言ったら「ラジオ体操」ですよね。その中でも前後屈や側屈は年齢に関係なく手軽にできる動きです。前後屈は無理やり行うと腰を痛めてしまう可能性もありますので、無理には行わずにできる範囲でやってみましょう。

ポイントは、首・体幹・股関節の3つの動きをそれぞれしっかりと意識することです。この3つの動きを上から順に、首→体幹→股関節とひとつひとつ確認しながら体操をしましょう。この際に、腕を大きく振ることで肩甲骨の動きも連動させられますので、ここまでできると肩のコリもほぐれ一石二鳥です!

例えば前屈の場合、なにも意識していないと体を前に曲げるだけになります。しかし、動きを意識しながら行うと、首を前に倒す→体幹を曲げる(背中をまるめる)→股関節を曲げるという順になります。動きを意識しやすい首をしっかりと曲げて、そこから体幹を大きく曲げ、さらに股関節を曲げるという動作を行うことで、それぞれの部位が存分に動いてほぐれやすくなるのです。

前後屈と側屈以外にも、ボールのキックや大股歩きなど、誰もが知っている「おなじみの動作」でも体幹の3部位をほぐすコツがあるのです。トレーニング前のウォームアップや日々の不調予防に行ってみてください。

 

■大きく前後屈

ラジオ体操にあるおなじみの動きですが、なんとなく体を動かすだけでは不十分です。重要なのは、動かす部位を意識することです。首・体幹・股関節の順に1か所ずつ丁寧に動かしていきましょう

腕の動きを使って肩甲骨を大きく動かしたり、伸びをしながら後屈することで体をより大きくそらすことが可能です。ちゃんと動かすことができればこの動きだけでも体がずいぶんと軽くなるはずです。

背中をうまくそらせない人はひざが曲がりがちです。前後屈を行う時には、ひざを曲げないように注意してください。

  1. 背筋を伸ばして、足を肩幅程度に開きまっすぐ立ちます。
  2. 首だけを前にしっかりと倒しましょう。
  3. 手の指を組み、その手を前に出しながら背中を丸めていきます。
  4. 最後に股関節から全身を前に倒しましょう。
  5. ゆっくりと最初の状態に戻り、首だけを後ろに倒します。
  6. 頭上で手の指を組み、伸びをしながら背中をそらせていきます。
  7. 股関節から全身を後ろに丁寧にそらせましょう。

伸びをすることで肩甲骨が大きく外に回りながら上がります。この動きをいれることで体幹がそらせやすくなり、肩まわりもほぐせます。1往復5秒程度かけてゆっくりと行いましょう。この動きを3~5往復するのがおすすめです。

 

■大きく側屈

側屈は3段階の動きで1箇所ずつ丁寧に横に曲げる運動です。腕の動きも重要で、腰に手を当てて体幹を横に曲げる支点を作ってから曲げていきましょう。

上げた腕を大きく振ると、勢いがついて全身を曲げやすくなり肩甲骨もよく動きます。注意点としては上体が前に倒れてしまわないように体の側面を伸ばしましょう。

  1. 足を肩幅に開き、背筋をまっすぐにして立ちます。
  2. 首だけをしっかりと真横に倒しましょう。
  3. 片手を腰に当てて、反対側の手を横から振り上げ、みぞおちを中心に体幹を横に曲げます。
  4. 股関節から全身を大きく横に曲げましょう。
  5. ゆっくりと最初の体勢に戻り、反対側も同様に動かしていきます。

ポイントとしては、振り上げた腕を大きく振る勢いを使うと、全身を横に倒しやすくなります。しかし、ただ勢いだけで曲げてしまうと筋を伸ばしやすくなったり丁寧な動きができないので注意してください。腕を大きく振ることで肩甲骨周りもよく動きます。また、腰に手をあてると、そこが支点になり体幹と股関節をしっかりと曲げられることでしょう。

側屈も1往復5秒程度かけてゆっくりと行い、3~5往復行うのがおすすめです。

 

■大きく回旋

回旋も3段階の動きで全身を左右にひねりましょう。腕を左右に振る勢いを利用して、しっかりと体幹をひねるように意識しましょう。体幹をひねることで股関節もひねられてよくほぐれます

体幹をひねる動きにつられて、かかとが浮きやすいのですが、かかとが浮いてしまうとひねる動きが小さくなってしまいます。かかとを浮かせないように注意して行いましょう。

  1. 足を肩幅に開いてリラックスした状態で立ちましょう。
  2. 首だけをしっかり横にひねりましょう。
  3. 腕を振りながら上体をひねりましょう。この時骨盤は正面に向けたまま動かさずに、上体だけをひねるようにしましょう。
  4. 最後に股関節を使って骨盤から体幹全体を大きくひねります。
  5. ゆっくりと最初の体勢に戻り、反対側も同様に行いましょう。

回旋も1往復に5秒程度のゆっくりしたテンポで行います。こちらも3~5往復繰り返しましょう。

 

■肩甲骨の上下内外転

肩甲骨の2種類の動きを行います。1つ目は左右の肩甲骨を広げたり寄せたりする動きです。これは背中を丸めたりそらしたりする動作とともに連動するので、この点も意識して行いましょう。もう1つは肩甲骨を上下させる動きです。肩甲骨を動かすと考えると難しくなるので、「肩を動かす」と意識してみてください。

この動作をしっかりと行えると、腕を肩甲骨から大きくしなやかに動かせるようになり肩まわりが軽くなります。腕を振る際の位置が下がってしまうと、左右の肩甲骨を広げて前に出す動きが小さくなってしまうので注意してください。

  1. 足を肩幅に開いて、リラックスした状態で立ちます。
  2. できるだけ肩を高くあげてください。腕をあげるのではなく、肩を上げるようにしてください。
  3. 上げきったら、次はできるだけ下に肩を下ろしてください。慣れてきたらリズミカルに動かしてみましょう。
  4. 肩の高さでひじを大きく後ろに引きます。この時に、引く動作に合わせて肩甲骨がしっかり引き寄せられているかを意識しましょう。
  5. 肩の高さで腕を前に出してクロスさせます。肩が大きく前に出て、左右に肩甲骨が開いていく動きを意識してください。
  6. 腕を前後左右に動かすことによって、その動きに合わせて肩甲骨もよく動くようになります。どこの骨や筋肉を動かしているのかを意識してみましょう。

肩甲骨の動かす動作は、リズミカルに行うのがベストです。5~10往復させてみましょう。

 

■ひざとつまさきをタッチ

ひざやつま先を高く上げて、股関節を背面から支える大臀筋やハムストリングなどの筋肉を伸ばしてほぐす運動です。さらにひねりを加えることで背骨周りも動かすことが可能です。股関節をうごかせるようになると、普段からスムーズに脚を動かせるようになり、歩幅が自然に広がるようになります

いきなり高く上げるとケガをしてしまうので、最初は小さくだんだん大きくしていくようにしましょう。その場で行う運動ですが、歩きながら、ジョギングをしながら行ってもOKです。やりやすい方法で行いましょう。

ひざやつま先にタッチするために、上体が前に傾きがちですがそれでは股関節の動きが小さくなってしまうので、背筋はしっかりと伸ばして行いましょう。

  1. 足を肩幅より少し狭めに開いて立ちます。
  2. 体幹をひねりながら、片膝を高く上げて反対側の手でひざにタッチします。
  3. 先ほどとは逆の膝を高く上げて、反対側の手でひざにタッチします。
  4. 次は、つま先です。体幹をひねりながらひざは軽く曲げて足を高く上げて、反対側の手でつま先をタッチします。
  5. 次に逆の足を高く上げて、反対側の手でつま先をタッチします。

つま先をタッチする際はひざを軽く曲げてかまいませんが、もし簡単にできるというのであれば、ひざを伸ばして脚をさらに高く上げて行いましょう。

 

■ウォーキングランジ

脚を大きく前に踏み出して大股でゆっくりと歩きながら行う運動です。後ろ足の膝が地面すれすれになるまで大きくひざを落として股関節後ろにある大臀筋や前面の腸腰筋を伸ばし、動きをよくしていくストレッチです。大きなひねりを加えたアレンジでは、なんと体幹も肩甲骨まわりもほぐれます。

ウォーキングランジはバランス能力も高まりますので、年配の方も無理をせずにチャレンジしていただきたい運動です。その場で行ってもよいですし、ウォーキングをしながら行うのも良いでしょう。

踏み込みの際に前傾視線になりやすいので注意しましょう。前傾姿勢のままですと、股関節を前に振り出す動きが小さくなってしまいます。

  1. 背筋を伸ばしてまっすぐ立ちましょう。
  2. 大きく前に脚を踏み出し、後ろ足のひざが床すれすれになるまで深くしゃがんで腰を落とします。同時に腕も大きく振りましょう。
  3. 立ち位置に戻るか、もしくは前に進みながら立ち上がりましょう。
  4. 逆側の足とは反対側の足も大きく踏み出しましょう。

戻すのが難しい場合は、前に進み、ぐるっと回って反対側の足を行ってと繰り返すと良いでしょう。踏み出した際にひざが大きく前に出てしまうと、ひざ関節に負担がかかりやすいので要注意です。

このやり方では簡単だという人は少しアレンジを加えます。踏み出した際に上半身を大きくひねりながら、後ろ足のかかとを手でタッチします。逆の手は大きく振り上げてください。手が空いている分ふらふらとしやすいのでバランスをしっかりと保つようにしましょう

通常のやり方でもアレンジを加えたやり方でも、左右5~10回くらいを繰り返しましょう。

 

まとめ

今回のストレッチ方法はいかがでしたでしょう?きっと、「あ、この動き知っている!」と思うことが多かったのではないでしょうか?この簡単な体操をするだけで体がほぐれるのを実感できると思います。

朝起きた時、デスクワークでなんだか体が固まったなという時、家に帰ってからでもいつでも行える動きですので、今日からでもぜひ行ってみてください!

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

http://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2018/01/emily-sea-198689-1-e1516503777888-1024x640.jpghttp://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2018/01/emily-sea-198689-1-e1516503777888-150x150.jpgBodykeLIVE体の仕組み筋トレ初心者トレーニング基礎知識長時間のデスクワークや運動不足をかかえる多くの現代人は体が凝り固まってしまっています。そんな状態ではトレーニングを行っても効果は出にくいですし、そもそも毎日の疲労から抜け出すことができないでしょう。しかし、簡単なストレッチを日々行うことでマイナス状態の体もゼロの体に戻すことが可能です。そして、さらに体の動かし方に意識を向けることによって、ゼロになるだけではなくプラスの快適な体にすることも!快適な体を手に入れるということは、普段の生活を送るうえでとても大切なことです。しかし、いくら快適な体になると言われても、難しい動作や面倒なことであれば覚えるのもちょっと…とやる気が起きなくなってしまうことでしょう。そこで今回は、誰もが知っている「おなじみ」で「簡単」な動作を少しだけアレンジしたストレッチ(体操)をご紹介いたします。おなじみの動きといえば「ラジオ体操」誰でも知っている運動と言ったら「ラジオ体操」ですよね。その中でも前後屈や側屈は年齢に関係なく手軽にできる動きです。前後屈は無理やり行うと腰を痛めてしまう可能性もありますので、無理には行わずにできる範囲でやってみましょう。ポイントは、首・体幹・股関節の3つの動きをそれぞれしっかりと意識することです。この3つの動きを上から順に、首→体幹→股関節とひとつひとつ確認しながら体操をしましょう。この際に、腕を大きく振ることで肩甲骨の動きも連動させられますので、ここまでできると肩のコリもほぐれ一石二鳥です!例えば前屈の場合、なにも意識していないと体を前に曲げるだけになります。しかし、動きを意識しながら行うと、首を前に倒す→体幹を曲げる(背中をまるめる)→股関節を曲げるという順になります。動きを意識しやすい首をしっかりと曲げて、そこから体幹を大きく曲げ、さらに股関節を曲げるという動作を行うことで、それぞれの部位が存分に動いてほぐれやすくなるのです。前後屈と側屈以外にも、ボールのキックや大股歩きなど、誰もが知っている「おなじみの動作」でも体幹の3部位をほぐすコツがあるのです。トレーニング前のウォームアップや日々の不調予防に行ってみてください。 ■大きく前後屈ラジオ体操にあるおなじみの動きですが、なんとなく体を動かすだけでは不十分です。重要なのは、動かす部位を意識することです。首・体幹・股関節の順に1か所ずつ丁寧に動かしていきましょう。腕の動きを使って肩甲骨を大きく動かしたり、伸びをしながら後屈することで体をより大きくそらすことが可能です。ちゃんと動かすことができればこの動きだけでも体がずいぶんと軽くなるはずです。背中をうまくそらせない人はひざが曲がりがちです。前後屈を行う時には、ひざを曲げないように注意してください。背筋を伸ばして、足を肩幅程度に開きまっすぐ立ちます。 首だけを前にしっかりと倒しましょう。 手の指を組み、その手を前に出しながら背中を丸めていきます。 最後に股関節から全身を前に倒しましょう。 ゆっくりと最初の状態に戻り、首だけを後ろに倒します。 頭上で手の指を組み、伸びをしながら背中をそらせていきます。 股関節から全身を後ろに丁寧にそらせましょう。伸びをすることで肩甲骨が大きく外に回りながら上がります。この動きをいれることで体幹がそらせやすくなり、肩まわりもほぐせます。1往復5秒程度かけてゆっくりと行いましょう。この動きを3~5往復するのがおすすめです。 ■大きく側屈側屈は3段階の動きで1箇所ずつ丁寧に横に曲げる運動です。腕の動きも重要で、腰に手を当てて体幹を横に曲げる支点を作ってから曲げていきましょう。上げた腕を大きく振ると、勢いがついて全身を曲げやすくなり肩甲骨もよく動きます。注意点としては上体が前に倒れてしまわないように体の側面を伸ばしましょう。足を肩幅に開き、背筋をまっすぐにして立ちます。 首だけをしっかりと真横に倒しましょう。 片手を腰に当てて、反対側の手を横から振り上げ、みぞおちを中心に体幹を横に曲げます。 股関節から全身を大きく横に曲げましょう。 ゆっくりと最初の体勢に戻り、反対側も同様に動かしていきます。ポイントとしては、振り上げた腕を大きく振る勢いを使うと、全身を横に倒しやすくなります。しかし、ただ勢いだけで曲げてしまうと筋を伸ばしやすくなったり丁寧な動きができないので注意してください。腕を大きく振ることで肩甲骨周りもよく動きます。また、腰に手をあてると、そこが支点になり体幹と股関節をしっかりと曲げられることでしょう。側屈も1往復5秒程度かけてゆっくりと行い、3~5往復行うのがおすすめです。 ■大きく回旋回旋も3段階の動きで全身を左右にひねりましょう。腕を左右に振る勢いを利用して、しっかりと体幹をひねるように意識しましょう。体幹をひねることで股関節もひねられてよくほぐれます。体幹をひねる動きにつられて、かかとが浮きやすいのですが、かかとが浮いてしまうとひねる動きが小さくなってしまいます。かかとを浮かせないように注意して行いましょう。...ボディークライブは、プロのトレーナーが執筆・監修した確かな情報だけをお届けします。ダイエットに悩んでいる方、ボディメイクが好きな方、健康な生活を送りたい方必見!