筋トレの効果を上げるスロートレーニングとは?
こんにちはパーソナルトレーナーの渡辺です。
トレーニングを行う際にきついからといって、1回2回3回4回…とどんどん勢いで行っていませんか?
人間どうしても苦しいものからは早く逃れたいという気持ちで焦ってしまうものですから「うっ…思い当たるかも…。」という人は大勢いても不思議ではありません。
しかし、急いでトレーニングをするとトレーニング時間は短縮になるものの、その効果はどうなのでしょうか?
しっかりとした効果が現れるのでしょうか?
答えは「NO」です。
筋肉を動かしてしっかりとトレーニングを行うのにあたって、ただただ素早く動かすだけでは効果は減ってしまうもしくはまったくなくなってしまうこともありえます。
それでは逆に、ゆっくりと動かした場合はどうなのでしょうか?
今回は、「スロートレーニング」に注目していきましょう。
Contents
スロートレーニングってそもそもどんなもの?
テレビや雑誌などでも「スロートレーニング」という言葉が使われているため、多くの人に認知されている呼び名ですが、実はスロートレーニングという名前は正式名称ではありません。
アメリカでは「スーパースロー」という名前で登録商標をとっているトレーニングがありますが、これが日本でいうところのスロートレーニングであり、具体的には「4秒間で負荷を下ろし、10秒かけて負荷を上げる」というのが基本のやり方です。
また、スーパースローの基本的なやり方はこのくらいの時間になるのですが、実際には「何秒」と決めずに、「筋肉の力の入れ方をゆるめずに動作をする」ことが大事なポイントになります。
普通にトレーニングを行っていると、どうしても筋肉がゆるむ時間が出るのですが、スロートレーニングではこの筋肉がゆるむ時間をつくらないため、結果的に3~4秒で上げ3~4秒で下ろすのがスロートレーニングの通常の動きになるでしょう。
下ろす時間はスーパースローに比べて短いとはいえど、3~4秒かけて負荷をあげていますのでスロートレーニングと呼んでも良いでしょう。
なぜスロートレーニングは効果が高くなるのか
スロートレーニングでは、力をゆるめることなく発揮し続けることで筋肉の内圧を高めます。
つまり、加圧トレーニングに近い状態になるというわけです。同じ負荷、同じ回数のトレーニングでも、圧力をかけつづけることで、より筋肉が太くなりやすい状態となり、50%1RMぐらいの負荷でトレーニングを行っても、確実に筋肉が太くなります。
これは、一般的なトレーニングで80%1RMの負荷を使った場合と同等の効果が得られているといえます。
もしも一般的なトレーニングで50%1RMの負荷で行ったとすると、筋肉が太くなることはないでしょう。
といっても、3秒で上げて3秒で下ろせばそれだけで良いのかというとそうではありません。
スロートレーニングの効果をしっかりと出すためには「筋肉の力を抜かない」ということがポイントになります。
脚の運動で言えばスクワットの際に、ひざを伸ばした時に関節を固めてしまうと筋肉は力が抜けてゆるんでしまいます。
それを防ぐためにも、ひざが伸び切る手前で止めて、再度しゃがむようにしましょう。
その他のトレーニングでも同じように、完全に脱力するという時間をつくらないことが大切です。
スロートレーニングは、重い負荷を使わなくても良いためトレーニングを安全に行うことができます。
筋肉が十分に鍛えられていない人ならば、自重負荷でも十分に筋肉が太くなっていきます。
といっても、条件があります。最低でも40%1RM以上の負荷は必要です。それ以下になってしまうと、いくらスロートレーニングを行っても効果はありません。
40%1RM以上の負荷ということにだけ注意すれば、通常のトレーニングよりも軽めの負荷でも効果は高くなります。
スロートレーニングの仕組みとは
スロートレーニングは「張力維持スロー法」と呼ばれることもありますが、文字通り筋が発揮する張力を維持しながら行うトレーニングのことを指します。スロートレーニングとは言いますが、前述したようにゆっくりやることよりも、筋肉の力を抜かない(張力を維持する)ことが重要です。トレーニング一つずつの動作を素早く行うと、筋肉が一瞬ゆるんでしまいます。筋肉をゆるめずに緊張させつづけるためには、弱く長く行うことが必要です。そのため、筋肉の力を抜かないことがポイントではあるけれども結果的にスローな動きになるのです。
では、スロートレーニングの仕組みについてですが、筋肉が力を発揮すると、筋肉自身の収縮による内圧の上昇により血管を締めるという特徴があります。血管が締まると筋肉中の循環が悪くなり、筋肉が太くなりやすい環境になるというわけです。
ちなにに元々スロートレーニングがあったわけではなく、加圧トレーニングからメカニズムのヒントを得てできたのがスロートレーニングです。加圧トレーニングは、外から血管を締めて行うものですが、効果が高い反面で締め方の下限を間違えるととても危険な方法です。そこでもっと安全な方法で行うために、筋肉が自分で自分の血管を締める作業を促せばいいということにつながり、スロートレーニングが生まれたというわけです。
では、どのくらいの力で血管を締めるのが良いのでしょうか?これに関しては、力こぶがいい目安になると言われています。力こぶは、力を入れることで筋肉の内圧が上がって血流が滞っている状態で出るものです。大体最大筋力の40%くらいの力を出しながらゆっくりと動かすと、加圧トレーニングと同じように筋肉が強く太くなっていきます。
それならば40%の力を発揮しながら空気椅子のような状態でじっとしていてもトレーニングになるのでは?と思う人がいるかもしれませんが、残念ながらじっとしているだけでは筋肉がエネルギーを使ってくれません。体を動かしながら40%くらいの筋力を出し続けるということが、スロートレーニングの一番大切なポイントになります。
スクワットならば、3~4秒でゆっくりとしゃがみ、3~4秒でゆっくりと立ち上がり、ひざを伸ばし切らない状態で再度しゃがむのがおすすめです。完全に立ち上がってしまいひざが伸びきったり、一気にしゃがんでしまうと、関節がロックしてしまい筋肉がゆるんでしまいます。自然な中腰のポーズになり、一定の筋力を発揮し続けるような動作を行うようにしましょう。
スクワット以外の効果的なスロートレーニングって何があるの?
スロートレーニングというと、スクワットが代表的なトレーニングになりますが、他にはどのようなトレーニングがあるのでしょうか?
軽い動きでいうと「太極拳」がスロートレーニングの一種です。といっても、太極拳の中にもさまざまな動きがあり、種類によって効果は違いがあるという研究結果が出ています。
動きがゆっくりしている種類と、カンフーのような素早い動きの種類では、体温の上がり方も違います。ゆっくり動くタイプの方が、健康増進効果が高いという報告もあります。
太極拳以外で言うと、お相撲の四股やすり足も、中腰の状態がつづくため、スロートレーニングに近い動きだと言えるでしょう。
ちょっと変わったところで言うと…数十年前に流行った「ビリーズブートキャンプ」を覚えていらっしゃいますでしょうか?
激しい動きをにこやかに行う映像を見ながら一緒になって行うエクササイズ、やったことがある人はわかると思いますが非常にきついトレーニングでした(笑)
実はあのビリーズブートキャンプもスロートレーニングの一種なのです。
激しく動くトレーニングですのでどこがスロートレーニングなの?と思う人も少ないでしょう。
ビリーズブートキャンプの最大のポイントは、「中腰で休みなく小刻みに上下運動している」という点です。
ビリーズブートキャンプの腰の構え方は太極拳と非常によく似ています。
大げさな動きをしているように見えますが、実は完全に伸び切ってしまったりしゃがみすぎたりしないでずっと中腰で力を入れ続けるという、まさにスロートレーニングなのです。
ビリーズブートキャンプは効果が非常に高い動きであることには間違いありません。
しかし続けられるかは…個人差があるでしょう(笑)
まとめ
今回は、スロートレーニングについて詳しく紹介いたしましたが、ご自身の考えていたスロートレーニングとあっていましたでしょうか?太極拳からビリーズブートキャンプまで、スロートレーニングとして考えられるトレーニングには様々な種類があります。
どれも共通して言えるのは、筋肉を常に使った状態でいることです。ひじやひざを伸ばし切ってしまうと筋肉が緩んでしまい効果が半減してしまいますので、スロートレーニングを行う際は、常に筋肉に負荷がかかっているように意識してみましょう。
http://bodyke-live.com/training/slow-training-method/http://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2018/02/young-woman-2699780_1920-e1519815680831-1024x642.jpghttp://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2018/02/young-woman-2699780_1920-e1519815680831-150x150.jpgトレーニング考え方こんにちはパーソナルトレーナーの渡辺です。トレーニングを行う際にきついからといって、1回2回3回4回…とどんどん勢いで行っていませんか?人間どうしても苦しいものからは早く逃れたいという気持ちで焦ってしまうものですから「うっ…思い当たるかも…。」という人は大勢いても不思議ではありません。しかし、急いでトレーニングをするとトレーニング時間は短縮になるものの、その効果はどうなのでしょうか?しっかりとした効果が現れるのでしょうか?答えは「NO」です。筋肉を動かしてしっかりとトレーニングを行うのにあたって、ただただ素早く動かすだけでは効果は減ってしまうもしくはまったくなくなってしまうこともありえます。それでは逆に、ゆっくりと動かした場合はどうなのでしょうか?今回は、「スロートレーニング」に注目していきましょう。スロートレーニングってそもそもどんなもの?テレビや雑誌などでも「スロートレーニング」という言葉が使われているため、多くの人に認知されている呼び名ですが、実はスロートレーニングという名前は正式名称ではありません。アメリカでは「スーパースロー」という名前で登録商標をとっているトレーニングがありますが、これが日本でいうところのスロートレーニングであり、具体的には「4秒間で負荷を下ろし、10秒かけて負荷を上げる」というのが基本のやり方です。また、スーパースローの基本的なやり方はこのくらいの時間になるのですが、実際には「何秒」と決めずに、「筋肉の力の入れ方をゆるめずに動作をする」ことが大事なポイントになります。普通にトレーニングを行っていると、どうしても筋肉がゆるむ時間が出るのですが、スロートレーニングではこの筋肉がゆるむ時間をつくらないため、結果的に3~4秒で上げ3~4秒で下ろすのがスロートレーニングの通常の動きになるでしょう。下ろす時間はスーパースローに比べて短いとはいえど、3~4秒かけて負荷をあげていますのでスロートレーニングと呼んでも良いでしょう。 なぜスロートレーニングは効果が高くなるのかスロートレーニングでは、力をゆるめることなく発揮し続けることで筋肉の内圧を高めます。つまり、加圧トレーニングに近い状態になるというわけです。同じ負荷、同じ回数のトレーニングでも、圧力をかけつづけることで、より筋肉が太くなりやすい状態となり、50%1RMぐらいの負荷でトレーニングを行っても、確実に筋肉が太くなります。これは、一般的なトレーニングで80%1RMの負荷を使った場合と同等の効果が得られているといえます。もしも一般的なトレーニングで50%1RMの負荷で行ったとすると、筋肉が太くなることはないでしょう。といっても、3秒で上げて3秒で下ろせばそれだけで良いのかというとそうではありません。スロートレーニングの効果をしっかりと出すためには「筋肉の力を抜かない」ということがポイントになります。脚の運動で言えばスクワットの際に、ひざを伸ばした時に関節を固めてしまうと筋肉は力が抜けてゆるんでしまいます。それを防ぐためにも、ひざが伸び切る手前で止めて、再度しゃがむようにしましょう。その他のトレーニングでも同じように、完全に脱力するという時間をつくらないことが大切です。スロートレーニングは、重い負荷を使わなくても良いためトレーニングを安全に行うことができます。筋肉が十分に鍛えられていない人ならば、自重負荷でも十分に筋肉が太くなっていきます。といっても、条件があります。最低でも40%1RM以上の負荷は必要です。それ以下になってしまうと、いくらスロートレーニングを行っても効果はありません。40%1RM以上の負荷ということにだけ注意すれば、通常のトレーニングよりも軽めの負荷でも効果は高くなります。 スロートレーニングの仕組みとはスロートレーニングは「張力維持スロー法」と呼ばれることもありますが、文字通り筋が発揮する張力を維持しながら行うトレーニングのことを指します。スロートレーニングとは言いますが、前述したようにゆっくりやることよりも、筋肉の力を抜かない(張力を維持する)ことが重要です。トレーニング一つずつの動作を素早く行うと、筋肉が一瞬ゆるんでしまいます。筋肉をゆるめずに緊張させつづけるためには、弱く長く行うことが必要です。そのため、筋肉の力を抜かないことがポイントではあるけれども結果的にスローな動きになるのです。では、スロートレーニングの仕組みについてですが、筋肉が力を発揮すると、筋肉自身の収縮による内圧の上昇により血管を締めるという特徴があります。血管が締まると筋肉中の循環が悪くなり、筋肉が太くなりやすい環境になるというわけです。ちなにに元々スロートレーニングがあったわけではなく、加圧トレーニングからメカニズムのヒントを得てできたのがスロートレーニングです。加圧トレーニングは、外から血管を締めて行うものですが、効果が高い反面で締め方の下限を間違えるととても危険な方法です。そこでもっと安全な方法で行うために、筋肉が自分で自分の血管を締める作業を促せばいいということにつながり、スロートレーニングが生まれたというわけです。では、どのくらいの力で血管を締めるのが良いのでしょうか?これに関しては、力こぶがいい目安になると言われています。力こぶは、力を入れることで筋肉の内圧が上がって血流が滞っている状態で出るものです。大体最大筋力の40%くらいの力を出しながらゆっくりと動かすと、加圧トレーニングと同じように筋肉が強く太くなっていきます。それならば40%の力を発揮しながら空気椅子のような状態でじっとしていてもトレーニングになるのでは?と思う人がいるかもしれませんが、残念ながらじっとしているだけでは筋肉がエネルギーを使ってくれません。体を動かしながら40%くらいの筋力を出し続けるということが、スロートレーニングの一番大切なポイントになります。スクワットならば、3~4秒でゆっくりとしゃがみ、3~4秒でゆっくりと立ち上がり、ひざを伸ばし切らない状態で再度しゃがむのがおすすめです。完全に立ち上がってしまいひざが伸びきったり、一気にしゃがんでしまうと、関節がロックしてしまい筋肉がゆるんでしまいます。自然な中腰のポーズになり、一定の筋力を発揮し続けるような動作を行うようにしましょう。 スクワット以外の効果的なスロートレーニングって何があるの?スロートレーニングというと、スクワットが代表的なトレーニングになりますが、他にはどのようなトレーニングがあるのでしょうか?軽い動きでいうと「太極拳」がスロートレーニングの一種です。といっても、太極拳の中にもさまざまな動きがあり、種類によって効果は違いがあるという研究結果が出ています。動きがゆっくりしている種類と、カンフーのような素早い動きの種類では、体温の上がり方も違います。ゆっくり動くタイプの方が、健康増進効果が高いという報告もあります。太極拳以外で言うと、お相撲の四股やすり足も、中腰の状態がつづくため、スロートレーニングに近い動きだと言えるでしょう。ちょっと変わったところで言うと…数十年前に流行った「ビリーズブートキャンプ」を覚えていらっしゃいますでしょうか?激しい動きをにこやかに行う映像を見ながら一緒になって行うエクササイズ、やったことがある人はわかると思いますが非常にきついトレーニングでした(笑)実はあのビリーズブートキャンプもスロートレーニングの一種なのです。激しく動くトレーニングですのでどこがスロートレーニングなの?と思う人も少ないでしょう。ビリーズブートキャンプの最大のポイントは、「中腰で休みなく小刻みに上下運動している」という点です。ビリーズブートキャンプの腰の構え方は太極拳と非常によく似ています。大げさな動きをしているように見えますが、実は完全に伸び切ってしまったりしゃがみすぎたりしないでずっと中腰で力を入れ続けるという、まさにスロートレーニングなのです。ビリーズブートキャンプは効果が非常に高い動きであることには間違いありません。しかし続けられるかは…個人差があるでしょう(笑) まとめ今回は、スロートレーニングについて詳しく紹介いたしましたが、ご自身の考えていたスロートレーニングとあっていましたでしょうか?太極拳からビリーズブートキャンプまで、スロートレーニングとして考えられるトレーニングには様々な種類があります。どれも共通して言えるのは、筋肉を常に使った状態でいることです。ひじやひざを伸ばし切ってしまうと筋肉が緩んでしまい効果が半減してしまいますので、スロートレーニングを行う際は、常に筋肉に負荷がかかっているように意識してみましょう。BodykeLIVE kumi.fukagawa@example.comEditorBodykeLIVE