腕を組む男性

こんにちはパーソナルトレーナーの渡辺です。

私たち人間の体にはたくさんの筋肉がついています。

そして、素敵な体を作るためにはこの筋肉をいかにして引き締めて鍛え上げていくかが非常に重要になります。

「だるだるな体を引き締めてかっこいい体にしたい」「筋肉を鍛えてボディビルダーのような体を手に入れたい」

といったように体を鍛え上げたいという人にとっても、「脚痩せをしたい」「二の腕を細くしたい」といったダイエット志向の人にとっても、筋肉を鍛えることは必要です。

しかし、部分的に鍛え上げるならなんとなくどのくらいの期間がかかるのかなという想像はつくものの、

全身の筋肉を鍛えるにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?

今回は、全身の筋肉を鍛え上げられるのかについてまとめてみました。

全身の筋肉を鍛え上げるというのは可能なのか?

筋肉をバラバラに育てることはできるのか

私たちの体にある筋肉の数はどのくらいあると思いますか?

100?200?

いいえ、人間の体にはなんと400もの筋肉がついています

さらにいうと、細かく分類すると600程度になるともいわれています。この筋肉をバラバラに鍛えようとすると…、

電極を当てるなど電気刺激をひとつひとつの筋肉に順番に与えていくしか方法はなく、

1つだけの特定の筋肉を鍛えるのははっきり言って無謀なことと言えます。

運動は多くの筋肉を同時に動かしている

そもそも、体を動かしたり、運動をするということは、1つの筋肉を使うのではなくたくさんの筋肉を同時に使って体を動かすということなのです。

たとえば、アームカールというトレーニングでは、上腕二頭筋のみで動かしているように考えている人もいるかもしれませんが、

実際にはひじを曲げるための二頭筋の少し外側にある上腕筋や、

前腕にある腕橈骨筋(わんとうこつきん)も使って動かしています。

ベンチプレスでは、大胸筋や三角筋、上腕三頭筋はもちろん使いますが、

これだけではなく上半身全体を使います。さらには足を地面につけて行う運動のため、脊柱起立筋や大臀筋をも多少は使っているのです。

このように、ごくごく基本的なトレーニング種目を30種目程度行っていれば、おそらく400ある筋肉のすべてを、それなりに鍛えることができます。

少ない種目でも多くの筋肉は鍛えられる?

では、できるだけ少ない種目で多くの筋肉を鍛えようと考えるならばどうしたらいいかといいますと、

マシントレーニングではなくダンベルやバーベルを利用したフリーウエイトトレーニングを行った方がより効果的に鍛えられます。

トレーニングの中でも「ビック3」と呼ばれるベンチプレス・スクワット・デッドリフトの3種目を行うだけでも、

体幹の筋肉から上肢、下肢にかけての主要な筋肉は外側だけではなくインナーマッスルを含めて鍛えられると考えていいでしょう。

前腕などの特別な部位は、ビック3だけではなかなか鍛えられませんので特別な種目が必要となります。

このような特別な部位を抜かせば基本的なトレーニングで多くの筋肉を同時に鍛えることは可能です

全身の筋肉を完全に鍛えることは難しい

同時に鍛える方法はありますが、「一つずつ鍛えて何年かするとすべての筋肉が鍛えられる」といった足し算方式で考えると、

1つの筋肉を鍛えている間に動かしていない筋肉は衰えてしまいますので、何年かかってもすべての筋肉を完全に鍛え上げるということは難しいのです。

しかし、同時に鍛えられる基本的なトレーニングを繰り返し行うことで、ほとんどの筋肉を鍛えることはできます

腕だけ盛り上がった筋肉を持っているのに下半身はひょろひょろというのはバランスが悪いですよね。

どのようなトレーニングを行えば、まんべんなく鍛えられるのかは気軽にトレーナーに相談して下さい!

 

バランスよく体を鍛えるにはどうしたらいいの?

基本的なレジスタンストレーニングをしっかりと行うことで、シンメトリーな体を作ることは可能です。

トレーニングを始めた時には左右差が大きくとも、トレーニングを重ねていくことで徐々に対照的な体になることでしょう。

むしろ、私たちには右利き左利きがあるように、左右差があるのは当たり前なのです。

しかし、せっかくトレーニングを行うならばシンメトリーな体になるように意識して体を鍛えていきましょう。

そうすることで、片側に力がかかりすぎることがなくなるので変なコリもなくなっていきます。

トレーニングを行っている人は一般人よりも偏りが少ない

バーベルやマシンを使ったトレーニングの場合、必然的に両側性の運動になるため、どちらかの腕や脚に極端に負荷がかかりすぎることはありません

また、左腕が疲れてしまうと右腕に余裕があったとしてもバーベルは持ち上げられなくなりますので、そこでトレーニングは終了となります。

ダンベルの場合は片側ずつになりますので、どちらか一方を鍛えることはできます。

しかし、上がる方だけを徹底的にトレーニングし続けるということはさらに左右差を広げてしまいますのでそういった運動はしない方が良いでしょう。

左右違った重さを使ったトレーニングもできますが、両手にダンベルをもってアームカール行う時に違う重さを持ってトレーニングをすると、結構やりづらいものです。

そのため、違う重さを持つこともないでしょう。

これらのことから、トレーニングを行っている人は、一般人に比べて体の左右差が少なくなるといえます。

といっても、左右差がゼロになるということはありません

腹筋のような部位は鍛えることはもちろんできますが遺伝の影響が強くでる筋肉ですので、腹筋が歪んでいる場合はなかなか修正するのは難しいと言えます。

歪んだまま鍛えてしまうよりも、腹筋のクセをしっかりと理解してシンメトリーになるように鍛えていきましょう。

左右差を少なくすると体は動きやすくなる

野球やゴルフ、フェンシングのような種目は左右差がでやすい競技です。

だからといっても、片側だけを強く鍛えるのはよくありません。左右差があまりに大きくなりすぎると、ケガの原因になってしまうこともあります。

野球のピッチャーはボールを投げるだけではなく、ボールをとることも走しることもあります。

つまり、他のタイプの運動をすることもあるわけです。もしも左右差がある一定のレベル以上開いてしまっている場合は、それらの運動に悪影響を及ぼす可能性もあります。

人間は機械ではありません。体全体のバランスが良くないと十分なパフォーマンスを発揮することはできなくなってしまいます。

野球選手やゴルファーが利き腕ではない方でのトレーニングを行うのは、左右差を少なくすることがコンディション面で重要だからなのです。

 

背中の筋肉を鍛えると腕の力が強くなる?

一部の筋肉を鍛えることは難しいと言いましたが、しかし大きな範囲でみると鍛えることは可能です。

たとえば背中。「パンチを強くしたいならば、背中の筋肉を鍛えるべし」ということを聞いたことがあるかもしれません。

広背筋は、「パンチマッスル」や「ヒッティングマッスル」とも呼ばれますので、名前からしても鍛えるとパンチ力が上がりそうですよね。

しかし、背中を鍛えることでパンチ力が増すというのは…おそらく本当ではないでしょう。

絶対にウソかというとそうは言い切れませんが、背中の筋肉とパンチ力がかならず比例するわけではありません

パンチを繰り出すときに、広背筋は確かに使われています。パンチを打つ方の手ではなく、反対側の引き手の方を意識してみてください。

反対側の腕を引くアクションを強くすることで、その反作用を生かして強いパンチを出すのです。

この時に広背筋が効果を発揮しているということは間違いありません。

また、ストレート系のパンチを出すときには、ただ腕をまっすぐ伸ばすのではなく、肩を内旋させながら出していくのが強いパンチの出し方です。

この内旋の動きは、大胸筋と広背筋がどちらも使われています。

たとえば大胸筋のみが発達していて、広背筋が弱かった場合はパンチに力を乗せることができません。

こういう意味でいうと、背中の広背筋が弱ければパンチ力も弱くなると言えます。

しかし、強いパンチを打つのに重要なのは背中の筋肉よりもむしろ足腰の筋肉です。

足腰が強ければしっかりと体重を乗せたパンチを打つことができます。逆に足腰が弱いと力を乗せられません。

足腰が強く、大胸筋も広背筋も強いならば、必然的に強いパンチを打てるようになるでしょう。

もしも、背中の筋肉を鍛えれば強くなると信じて広背筋だけをせっせと鍛えている人がいるならば、今すぐ考え直してください!バランスよく鍛えること、足腰を鍛えることの重要性をもう一度考えてみましょう。

 

まとめ

今回は、全身の筋肉を鍛えられるのかに焦点を置いてご紹介いたしました。結果から言うと、全身の筋肉を完全にすべて鍛え上げるということはできません。

しかし、ある程度全身を鍛えるのはできます。

というよりも、それしか方法がないのです。完全に鍛え上げた体というのは人間の体の性質上あり得ませんが、

全身をある程度鍛えるということならばもちろん可能です。

また、力強い筋肉にするためにはバランスよく鍛える大切さを述べました。

利き腕や利き脚があるように、人間の体に左右差があるのは当たり前です。そしてその状態で生活してきていますのでどうしてもクセがついてしまっています。

最高のパフォーマンスを出すためにも、体の左右差をなるべくなくすように考えてトレーニングを行っていきましょう!

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