骨の太さって筋肉のつきやすさと関係ある?

トレーニングをしていると、筋肉の付きやすさが気になりますよね。中には「骨の太さと関係があるのでは?」と考えている人がいるかもしれません。

骨の太さと筋肉の付きやすさには関係があるのでしょうか。

この点を解説するとともに、骨の太さと筋力の高さ、骨の強さと筋肉の付きやすさも解説します。骨と筋肉の関係が気になる方は、参考にしてください。

骨の太さと筋肉のつきやすさに相関性はある?

骨の太さと筋肉のつきやすさに相関性はある?
現在のところ、骨が太いからといって筋肉がつきやすいとは言い切れないと考えられています。いわゆる骨太の人はがっしりした体型に見えるため筋肉がつきやすいと思われがちですが、そうとは言い切れないのです。

一般的に骨太は、骨が太いことを意味しますが、骨太に見えても必ず骨が太いわけではありません。実際は、筋肉や脂肪が多いこともあります。このことを理解すれば、何となくのイメージで筋肉がつきやすいといわれていることがわかるはずです。

以上から、骨が細い人も正しい筋トレをすれば美しい筋肉を付けられるといえます。もちろん、筋肉の付きやすさに個人差はありますが、骨が細いからといって悩む必要はないでしょう。ただし、華奢な体型(骨が細いと思われる体型)だと、変化を実感するまで時間がかかる可能性はあります。この点を理解してから、トレーニングを始めましょう。

骨の太さと筋力の高さに相関性はある?

骨の太さと筋力の高さに相関性はある?
骨の太さと筋肉の付きやすさに、密接な関係はないことがわかりました。トレーニング意欲の高い人の中には、骨の太さと筋力の関係も知りたいと考えている人がいるのではないでしょうか。

確かに骨太でがっしりしている人は、筋力が高いように見えます。しかし骨の太さと筋力の高さに、明らかな相関関係は見出されていません。つまり骨が太いからといって、筋力が高いとは言い切れないのです。

このことはスポーツ選手の体型を思い起こせばイメージできます。骨太の選手もそうでない選手もいますよね。骨が細いからといって、パフォーマンスが劣ることはありません。例えば野球のイチロー選手。決して骨が太いとは言えない体型ですが、レーザービームと呼ばれた返球は筋力が高くなければ実現できません。骨が細くても質の良い筋肉がつけば、ハイパフォーマンスを発揮できるのです。

華奢な体型(骨が細いと思われる体型)だと筋力まで低いと思ってしまいがちですが、トレーニング次第で筋力を高くすることは可能です。努力次第でパフォーマンスを変えられる点は、トレーニングの魅力といえるでしょう。

骨・筋肉・脂肪の成長には共通点が多い

骨・筋肉・脂肪の成長には共通点が多い
骨の太さが直接筋力には関係はないと言いましたが、骨と筋肉、脂肪の3つは起源としてはとてもちかいものがあります。そもそも、柔らかさやどんな性質があるかは異なりますが、全て同じ細胞の塊からできているものですので親戚のような関係です。

そのため、運動によって骨がどの様に変化や成長を遂げるかという問題と、筋肉がどのように成長して太くなっていくのかという問題は、共通点がかなり多いといえます。骨格ががっちりしている人は、なんとなく筋肉質であることが多いですよね。これもこういった理由からいえるのでしょう。

筋肉の細胞が骨になることがある

筋肉の細胞が骨になることがある
少し話は変わりますが、筋肉と骨に関係があることを示すお話を紹介します。BPMというサイトカインは、筋組織内で異所性骨化を誘導するそうです。異所性骨化とは、本来は骨が存在しない部位で骨が形成される現象です。筋や筋膜などで骨形成が起こります。埼玉医科大学の研究で、以下のことが示されています。

BMPが培養系においても筋芽細胞の分化成熟を抑制し,さらに骨芽細胞への分化を誘導することを見いだした

出典: (PDF)埼玉医科大学:臨床医学研究系 口腔外科学 野島淳也[PDF]

筋芽細胞は筋繊維のもとになる細胞、骨芽細胞は新しい骨を作る細胞といえます。サイトカインの働きで、筋肉を作る細胞が骨を作る細胞へ変わってしまうのです。医学の専門家ではないのでこの現象を正確に説明することはできませんが、骨と筋肉の関係を示す一例といえるかもしれません。

骨密度と筋力の相関性とは

骨密度と筋力の相関性とは
脱線してしまったので話を元に戻します。骨の太さと筋力の高さに、明確な関連は見出されていないと説明しました。では、骨の強さと筋力の高さに関連はあるのでしょうか。

太い骨は強いと思ってしまいますが、強さを決めるのは太さだけではありません。太さよりも、骨密度と骨質が重要になります。特に重要とされているのが、骨密度です。骨の構造は鉄筋コンクリートと同じといわれることが少なくありません。鉄筋に当たるのが骨質、コンクリートに当たるのが骨密度と考えてよいでしょう。

公益財団法人富山県体育協会が発行している資料には以下のように記載されています。

強い筋力を必要とする種目やジャンプと着地を繰り返すような種目の競技者ほど骨密度が高くなっているのがわかります。

出典:公益財団法人富山県体育協会:スポーツ医・化学的トレーニング情報NO.49

他方で、62~80歳の高齢者を対象に行った研究では、次のように記載されています。

レジスタンス・トレーニングマシンで測定した最大筋力と、骨密度は関係していないことが示された。

出典: 高齢者の骨密度に及ぼす要因の検討-特に体格、運動量および筋力の影響について-西端泉、島田広美、田島美代子、彦井浩孝

骨の強さと筋力の高さの相関関係については、意見が分かれているといえるでしょう。ただし、いくつかの研究で筋力が高いと骨密度も高くなる、すなわち骨も強くなることが示唆されています。基本的には、筋力が強くて骨は弱いというバランスの悪い変化は起こりにくいと考えられているのです。

以上をもとに考えると、筋力を高めるには強い骨が必要です。骨を強くするために欠かせないのが運動です。運動には筋肉を大きくする働き、強くする働きもあります。地道にトレーニングを重ねることが重要といえそうですね。

プロトレーナーの豆知識

プロトレーナーの豆知識
骨格が華奢な人は、頑張ってトレーニングに励んでも身体を大きくしづらいので悩むことが多いと思います。一般的に、骨太でがっちりした体型の方が筋肉を付けたときに見栄えすると思われがちですが、そうとは言い切れません。

骨格が華奢な人が筋肉を付けると、メリハリのある体になるからです。たくさんの筋肉を必要としますが、結果が現れると美しい体になります。現状では、骨の太さと筋肉の付きやすさに明確な関連性は見出されていないので、骨の太さを気にすることなくトレーニングに励んでみてはいかがでしょうか。

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