モテホルモンと言われる「テストステロン」を効果的に分泌させる方法
Contents
テストステロンとは
テストステロンは、精巣で産生される男性ホルモンの主な構成成分です。最も活性が高いため、真の男性ホルモンと呼ばれることもあります。具体的に、どのような働きがあるのでしょうか。
働き
テストステロンの働きは多岐にわたります。代表的な働きとして挙げられるのは以下の通りです。
- 性分化
- 精子形成
- 性衝動
- 筋肉をつくる
- 血液をつくる
- 骨をつくる
- 発毛
参考:日本Men’s Health医学会 News Letter Vol.10
以上のほか高次精神機能などにも関与しています。代表的な働きの中で、特に気になるのが「筋肉をつくる」ではないでしょうか。
テストステロンは、筋肉細胞でタンパク質の合成を増やすことやタンパク質の分解を減らすこと、筋肉を修復する筋サテライト細胞を活性化することなどに働きます。これらの働きで、筋肉を太く逞しくしてくれるのです。
テストステロンが減少すると…
「男らしさ」を形作るといわれているだけあって、テストステロンは男性にとって重要なホルモンといえるでしょう。テストステロンが減少すると、次の影響などが現れる恐れがあります。
- 性機能障害
- 筋肉量の減少
- 貧血
- 骨密度の減少
- 気分障害
- 認知機能の低下
- メタボリック症候群
- 内臓脂肪の増加
多岐にわたる働きを有するため、減少による影響も多岐にわたります。テストステロンが減少すると、男性生活の質が低下してしまいます。
テストステロンは年齢と共に減少
テストステロンは、遊離型テストステロン・SHBG結合型テストステロン・アルブミン結合型テストステロンに分かれます(以上3つの合計が総テストステロン)。これらの中で活性があるのは遊離型テストステロンです(生物学的に利用可能)。総テストステロンに占める割合は、わずか1~2%程度となっています。アルブミン結合型テストステロンは、簡単にアルブミンから解離するため遊離型テストステロンとあわせて生物活性を持つとされています。
年齢を重ねても、総テストステロンはあまり減少しません。これに対し、遊離型テストステロンとアルブミン結合型テストステロンは、年齢とともに減少します。総テストステロンが減少しないのにこれらが減少する理由は、加齢とともに生物活性がないSHBG結合型テストステロンが増加するからです。
一般的に、テストステロンは30歳以降から減少し始め40代後半からその影響が現れることがあると考えられています。ただし、個人差が非常に大きいため、この年齢から急激に減少するなどということはできません。基本的には、緩やかに減少することが多いので、影響が現れても老化現象として捉えられることがあります。
参考:日本泌尿器学会・日本Men’s Health医学会:加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き
参考:厚生労働省:更年期障害
テストステロンの分泌を促進する方法
テストステロンの減少は、個人差が大きいと考えられています。つまり、60歳台、70歳台で男性として元気な方、30歳台、40歳台で男性として元気のない方がいるということ。いつまでも元気でいたい方は、テストステロンに気を付けるべきといえます。テストステロンは、以下の取り組みなどで分泌を促せると考えられています。
- 筋力トレーニング
- タンパク質を意識した食事
- 質のいい睡眠
それぞれについて詳しく解説します。
筋力トレーニング
最初におすすめしたいのが運動です。運動で筋肉を刺激すると、血液中のテストステロンは上昇します。運動の中でもおすすめなのが筋力トレーニングです。
筋力トレーニングには、テストステロンの分泌量を増やす以外に筋肉中のアンドロゲンレセプターを増加させる働きがあります。アンドロゲンレセプターとは、男性ホルモンと結合する受容体です。アンドロゲンレセプターが増えれば、テストステロンが作用しやすくなるため筋肉量が増えやすくなります。
筋肉量が増えれば、テストステロンも分泌されやすくなります。つまり、筋力トレーニングには、相乗効果を期待できるのです。
もちろん、有酸素運動でもテストステロンは上昇しますが、その効果は一過性と考えられています。現在のところ、テストステロンを恒常的に上昇させるかはわかっていません。テストステロンの分泌を促したいのであれば、筋力トレーニングに取り組むべきといえるでしょう。
オススメの筋力トレーニング
テストステロンの維持率は、筋力トレーニングの内容で異なると考えられています。最大強度の70%を10回3セット行った群と最大強度の85%を10回3セット行った群では、前者の方が維持率は高いことがわかっています。
おすすめの筋力トレーニングとして挙げられるのがスクワットです。大きな筋肉を刺激できるうえ、マシンなどを使わず適度な負荷をかけられる点が魅力です。まずは、筋肉が集まる下半身から重点的に鍛えてみてはいかがでしょうか。さらに体を鍛えたい方には、しっかり追い込めるベンチプレス、デッドリフトなどもおすすめです。
参考:日本Men’s Health医学会 News Letter Vol.10
タンパク質を意識した食事
食生活も気を付けたいポイントとして挙げられます。特に、意識して摂りたい栄養素がタンパク質です。テストステロンはコレステロールから合成されますが、変換するときにタンパク質からつくられた酵素が必要になります。
タンパク質は欠かせない栄養素といえるでしょう。筋肉の材料になる点も魅力です。運動を本格的に始める方は、体重×2gのタンパク質を目安に摂るとよいでしょう。
同様に重要と考えられる栄養素が亜鉛です。機序は明らかではありませんが、毛髪の亜鉛濃度が高い男性はテストステロンも高値であったことからその維持に関わっていると考えられています。テストステロンが気になる方は、タンパク質と亜鉛を意識しつつバランスの良い食生活を心がけるとよいでしょう。
オススメの食材
テストステロンの分泌を促進したい方に、おすすめできる食材が納豆です。納豆は、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち18種類を含みます。良質な植物性たんぱく質の摂取源といえるでしょう。
また、納豆は亜鉛も含みます。ひとつの食材でタンパク質と亜鉛を同時に摂れるので、積極的に活用したい食材といえます。納豆のほかでは、タンパク質は牛肉・豚肉・鶏肉・チーズ・ヨーグルト・牛乳などに多く含まれています。以上を参考に、食生活を組み立ててみてはいかがでしょうか。
質のいい睡眠
質の高い睡眠を確保することも重要です。睡眠不足により、テストステロン値は低下することがわかっています。テストステロンの分泌を促すというよりも、テストステロンを維持するために重要な取り組みといえます。
また、質の高い睡眠はトレーニングの質も高めてくれます。この面から考えても重要な取り組みです。
オススメの睡眠・入眠方法
年齢を重ねると、質の高い睡眠をとりづらくなることが少なくありません。寝つきが悪いなどにお悩みの方は、以下の点を意識するとよいでしょう。
- 夕方以降は間接照明で過ごす
- 夕食後は、カフェイン飲料を控える
- お風呂はぬるめ(38~40度)に設定する
- 寝酒は控ええる(中途覚醒を促すため)
- 毎朝、決まった時間に起きる
- 目覚めたら太陽の光を浴びる
- 規則正しい食事を心がける
- 汗ばむ程度の運動を習慣化する
これらに取り組むと眠りの質は高まると考えられます。簡単な取り組みばかりなので、変化を実感しやすいはずです。
魅力的な男性であり続けるためトレーニングを
テストステロンは、男性の生活にさまざまな影響を与えているホルモンです。低下すると、性機能障害や筋肉量の減少など深刻な影響が現れる恐れがあります。基本的に、加齢とともに減少すると考えられているので注意しましょう。
幸いなことに、テストステロンは取り組み次第で分泌を促進できると考えられています。特に効果的といえるのが、筋力トレーニングです。効率の良い筋力トレーニングには、良質なたんぱく質と睡眠も欠かせません。
また、これらはテストステロンの分泌にも良い影響を与えます。つまり、真面目にトレーニングすれば、テストステロンの分泌量は増えやすくなるということ。今日からトレーニングに励んで、魅力的な男性で居続けましょう。
http://bodyke-live.com/tips/human-body/secrete-testosterone/http://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2017/09/testosterone.jpghttp://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2017/09/testosterone-150x150.jpg体の仕組み筋トレ初心者テストステロンとはテストステロンは、精巣で産生される男性ホルモンの主な構成成分です。最も活性が高いため、真の男性ホルモンと呼ばれることもあります。具体的に、どのような働きがあるのでしょうか。働きテストステロンの働きは多岐にわたります。代表的な働きとして挙げられるのは以下の通りです。性分化 精子形成 性衝動 筋肉をつくる 血液をつくる 骨をつくる 発毛参考:日本Men’s Health医学会 News Letter Vol.10以上のほか高次精神機能などにも関与しています。代表的な働きの中で、特に気になるのが「筋肉をつくる」ではないでしょうか。テストステロンは、筋肉細胞でタンパク質の合成を増やすことやタンパク質の分解を減らすこと、筋肉を修復する筋サテライト細胞を活性化することなどに働きます。これらの働きで、筋肉を太く逞しくしてくれるのです。テストステロンが減少すると…「男らしさ」を形作るといわれているだけあって、テストステロンは男性にとって重要なホルモンといえるでしょう。テストステロンが減少すると、次の影響などが現れる恐れがあります。性機能障害 筋肉量の減少 貧血 骨密度の減少 気分障害 認知機能の低下 メタボリック症候群 内臓脂肪の増加多岐にわたる働きを有するため、減少による影響も多岐にわたります。テストステロンが減少すると、男性生活の質が低下してしまいます。テストステロンは年齢と共に減少テストステロンは、遊離型テストステロン・SHBG結合型テストステロン・アルブミン結合型テストステロンに分かれます(以上3つの合計が総テストステロン)。これらの中で活性があるのは遊離型テストステロンです(生物学的に利用可能)。総テストステロンに占める割合は、わずか1~2%程度となっています。アルブミン結合型テストステロンは、簡単にアルブミンから解離するため遊離型テストステロンとあわせて生物活性を持つとされています。年齢を重ねても、総テストステロンはあまり減少しません。これに対し、遊離型テストステロンとアルブミン結合型テストステロンは、年齢とともに減少します。総テストステロンが減少しないのにこれらが減少する理由は、加齢とともに生物活性がないSHBG結合型テストステロンが増加するからです。一般的に、テストステロンは30歳以降から減少し始め40代後半からその影響が現れることがあると考えられています。ただし、個人差が非常に大きいため、この年齢から急激に減少するなどということはできません。基本的には、緩やかに減少することが多いので、影響が現れても老化現象として捉えられることがあります。参考:日本泌尿器学会・日本Men’s Health医学会:加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き参考:厚生労働省:更年期障害テストステロンの分泌を促進する方法テストステロンの減少は、個人差が大きいと考えられています。つまり、60歳台、70歳台で男性として元気な方、30歳台、40歳台で男性として元気のない方がいるということ。いつまでも元気でいたい方は、テストステロンに気を付けるべきといえます。テストステロンは、以下の取り組みなどで分泌を促せると考えられています。筋力トレーニング タンパク質を意識した食事 質のいい睡眠それぞれについて詳しく解説します。筋力トレーニング最初におすすめしたいのが運動です。運動で筋肉を刺激すると、血液中のテストステロンは上昇します。運動の中でもおすすめなのが筋力トレーニングです。筋力トレーニングには、テストステロンの分泌量を増やす以外に筋肉中のアンドロゲンレセプターを増加させる働きがあります。アンドロゲンレセプターとは、男性ホルモンと結合する受容体です。アンドロゲンレセプターが増えれば、テストステロンが作用しやすくなるため筋肉量が増えやすくなります。筋肉量が増えれば、テストステロンも分泌されやすくなります。つまり、筋力トレーニングには、相乗効果を期待できるのです。もちろん、有酸素運動でもテストステロンは上昇しますが、その効果は一過性と考えられています。現在のところ、テストステロンを恒常的に上昇させるかはわかっていません。テストステロンの分泌を促したいのであれば、筋力トレーニングに取り組むべきといえるでしょう。オススメの筋力トレーニングテストステロンの維持率は、筋力トレーニングの内容で異なると考えられています。最大強度の70%を10回3セット行った群と最大強度の85%を10回3セット行った群では、前者の方が維持率は高いことがわかっています。おすすめの筋力トレーニングとして挙げられるのがスクワットです。大きな筋肉を刺激できるうえ、マシンなどを使わず適度な負荷をかけられる点が魅力です。まずは、筋肉が集まる下半身から重点的に鍛えてみてはいかがでしょうか。さらに体を鍛えたい方には、しっかり追い込めるベンチプレス、デッドリフトなどもおすすめです。参考:日本Men’s Health医学会 News Letter Vol.10タンパク質を意識した食事食生活も気を付けたいポイントとして挙げられます。特に、意識して摂りたい栄養素がタンパク質です。テストステロンはコレステロールから合成されますが、変換するときにタンパク質からつくられた酵素が必要になります。タンパク質は欠かせない栄養素といえるでしょう。筋肉の材料になる点も魅力です。運動を本格的に始める方は、体重×2gのタンパク質を目安に摂るとよいでしょう。同様に重要と考えられる栄養素が亜鉛です。機序は明らかではありませんが、毛髪の亜鉛濃度が高い男性はテストステロンも高値であったことからその維持に関わっていると考えられています。テストステロンが気になる方は、タンパク質と亜鉛を意識しつつバランスの良い食生活を心がけるとよいでしょう。オススメの食材テストステロンの分泌を促進したい方に、おすすめできる食材が納豆です。納豆は、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち18種類を含みます。良質な植物性たんぱく質の摂取源といえるでしょう。また、納豆は亜鉛も含みます。ひとつの食材でタンパク質と亜鉛を同時に摂れるので、積極的に活用したい食材といえます。納豆のほかでは、タンパク質は牛肉・豚肉・鶏肉・チーズ・ヨーグルト・牛乳などに多く含まれています。以上を参考に、食生活を組み立ててみてはいかがでしょうか。質のいい睡眠質の高い睡眠を確保することも重要です。睡眠不足により、テストステロン値は低下することがわかっています。テストステロンの分泌を促すというよりも、テストステロンを維持するために重要な取り組みといえます。また、質の高い睡眠はトレーニングの質も高めてくれます。この面から考えても重要な取り組みです。オススメの睡眠・入眠方法年齢を重ねると、質の高い睡眠をとりづらくなることが少なくありません。寝つきが悪いなどにお悩みの方は、以下の点を意識するとよいでしょう。夕方以降は間接照明で過ごす 夕食後は、カフェイン飲料を控える お風呂はぬるめ(38~40度)に設定する 寝酒は控ええる(中途覚醒を促すため) 毎朝、決まった時間に起きる 目覚めたら太陽の光を浴びる 規則正しい食事を心がける 汗ばむ程度の運動を習慣化するこれらに取り組むと眠りの質は高まると考えられます。簡単な取り組みばかりなので、変化を実感しやすいはずです。魅力的な男性であり続けるためトレーニングをテストステロンは、男性の生活にさまざまな影響を与えているホルモンです。低下すると、性機能障害や筋肉量の減少など深刻な影響が現れる恐れがあります。基本的に、加齢とともに減少すると考えられているので注意しましょう。幸いなことに、テストステロンは取り組み次第で分泌を促進できると考えられています。特に効果的といえるのが、筋力トレーニングです。効率の良い筋力トレーニングには、良質なたんぱく質と睡眠も欠かせません。また、これらはテストステロンの分泌にも良い影響を与えます。つまり、真面目にトレーニングすれば、テストステロンの分泌量は増えやすくなるということ。今日からトレーニングに励んで、魅力的な男性で居続けましょう。パーソナルトレーナー 坂本季生 bodykesakatoshi@gmail.comUserBodykeLIVE