スポーツ遺伝子には、正常型と変異型があると以前書きましたが、この遺伝子は一生変えられないのでしょうか?

スプリント競技をしたいのに、スポーツ遺伝子が変異型だと向いていない!変えられるのならば変えたいと考える人もいることでしょう。

今回は、スポーツ遺伝子は変えられるのかどうかをみていきましょう。

持って生まれた遺伝子のタイプは変えられない

答えから言ってしまうと、残念ながら遺伝子のタイプは変えられません。親から受け継いだ遺伝子は複雑な情報が組み合わさってできているものであり、トレーニングをしたからといってタイプが変わるものではないのです。

しかし、仮に現在行っているスポーツと、自分の持っているスポーツ遺伝子のタイプが合わなかったとしても諦めなければいけないということはありません。

ACTN3という遺伝子の変異が少ない人のほうがスプリント競技で力を発揮できる可能性が高いと以前書きましたが、アメリカの研究で、スプリントに向いていないはずの変異型の遺伝子を持っている人の方が正常型の遺伝子を持っている人よりも筋力トレーニングをしたときの筋力増加の伸びが大きかったという結果が出ているのです。

 

変異型の方が筋力増加の伸びが大きい理由とは

筋力増加の伸びが大きかったという結果が出たのはいくつかの理由があげられます。

1つ目は、この研究を行ったさいのトレーニングの質の問題です。トレーニングというのは、半端なことをしても筋肉はなかなか強くなってくれません。しかし、実験で行うようなトレーニングはスポーツ選手が行っているようなハードなトレーニングではなく、はっきり言って半端なトレーニングなのです。

ハードな運動経験がない被験者を集めて3カ月ほどトレーニングをして結果はどうだったかという実験のため、運動経験がない人ほど運動前と運動後の変化が大きいのは当たり前です。

そのため、被験者を集めた時点で、変異型の遺伝子を持っている人の方が運動経験のレベルが低かった可能性があるのです。

2つ目は、トレーニングに対する反応が良かったということは、つまりはそれだけトレーニングに敏感であるということです。つまり、速筋繊維がトレーニングの刺激を受けやすい状態だったということです。

しかし、速筋繊維が刺激を受けやすい状態の人が過激なトレーニングを行うと、オーバートレーニングになったり、筋線維の損傷が起こりやすいというデメリットもあります。

逆に、あまりトレーニングの効果が現れなかった鈍感な体というのは、トレーニングに対する抵抗力が大きく、強い肉体であると言えるのかもしれないですね。ただし、効果は現れにくいですが…。

 

スポーツ遺伝子は、どの競技に向いているのかを決めるものではない

前述した内容からも、スポーツ遺伝子はどの競技に向いているか、向いていないのかを完全に決定づけるものではないといえます。

「こういう遺伝子を持っているから、トレーニングをどうやれば能力をさらに引き上げることができるのか」を考えるために活用するのがよいでしょう。自分の遺伝子に合ったトレーニングを行うことで、本来その遺伝子であれば苦手な競技でも克服できる可能性は十分にあるといえます。

医療の分野ではすでに、生活習慣病などの種類に合わせて「テーラーメイド医療」をしようという動きができています。

今後は、スポーツの分野においても競技種目に合わせた体を作っていく過程で、遺伝子の特性に合わせた「テーラーメイドトレーニング」を行うと今よりももっと競技能力を伸ばすことができるようになるかもしれません。

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