遺伝子は多種多様にありますが、その中でもスポーツ能力に関連する可能性がある遺伝子のことを「スポーツ遺伝子」といいます。

人間の個人差や体質にかかわる遺伝子の研究がおこなわれている昨今、スポーツ能力に関連する可能性のある遺伝子も100個以上報告がされています。

今回は、そんなスポーツ遺伝子について見ていきましょう。

一番強い影響力を持つACTN3とは?

スポーツ遺伝子の中でも最も影響力が強いと言われているのは「ACTN3」という遺伝子です。ACTN3は、α-アクチニン3というたんぱく質を作り出す働きのある遺伝子です。

このα-アクチニン3は、筋線維の中でも速筋繊維で作られるたんぱく質で、人間の場合には、正常なたんぱく質を作れる遺伝子型のR型と、まったくたんぱく質をつくれない変異型のX型があることが現時点では報告されています。

たんぱく質なのにたんぱく質が作れないという特性のある変異型の場合、速筋繊維そのものが機能しなくなるのかというと、そうではありません。

α-アクチニンには、1・2・3の種類があり、人間の筋肉の中で遅筋繊維ではα-アクチニン2のみが発現し、速筋繊維では、α-アクチニンの2と3の2つが発現しているのです。つまり、たとえ速筋繊維で3が作られなかったとしても、2が発言しているため筋線維としての機能がなくならないというわけです。

2と3のα-アクチニンがあることで、1つの遺伝子が働かなくとも致命的なことにはならないというわけです。

α-アクチニンが作られないと筋肉ではどんな悪影響があるのか

それでは、α-アクチニン3が作られない場合、筋肉にどのような影響があるのかというと、これはまだ完全に解明されていないためまだわからないことが多くあります。現在判明しているのは、「ACTN3に変異があるとα-アクチニン3が作られない」ということだけなのです。

しかし、オリンピック選手を調べてみると、短距離などのスプリンターやジャンパーなどの瞬発力を必要とする競技の選手には、ACTN3の遺伝子の変異がきわめて少ないという結果が出ています。

お父さんもお母さんも変異型という選手は、オーストラリアの研究チームが行った実験報告ではなんと0でした。

この研究報告から、「ACTN3に変異が起きているとスプリンターには向いていないであろう」ということは言えるでしょう。

長距離走などの持久力が必要な競技の選手はどうかというと、半分くらいが変異型であることがわかっています。持久的競技の選手は、正常型でも変異型でもそれほど影響はないようです。

 

α-アクチニン3の変異は人種によって異なる?

α-アクチニン3の変異は、人種によって違うかというと答えは「YES」です。

アフリカ系の人種は、変異型の割合がとても少なく3%以下です。日本人などのアジア系の人種は30%程度。欧米人種はその中間の15%くらいです。

このパーセンテージから、単純にアフリカ系の人種がスプリント競技に向いているとは一概には言えませんが、すぐれた選手が出てくる確率は高いでしょう。

現に、オリンピックなどで活躍しているスプリンターの多くはアフリカ系の人種ですよね。といっても、日本人も70%は正常型ですので、スプリント競技を諦めなくてはいけないということはありません。

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