ジムトレーナーが教える筋トレとお酒の上手な付き合い方
今回は筋トレやボディメイクと「お酒」の関係についてお話させていただきます。ボディメイクに“お酒は禁物”というイメージはありませんか?確かにお酒を飲むと太りやすくなるので、控えたほうがいいといえます。
ですがお酒好きな人が禁酒すれば、ストレスが溜まりますし、毎日の楽しみがなくなってしまいますよね。さらにストレスで暴飲暴食をしてしまえば、リバウンドしてしまう可能性も。そこでBodyke流の“お酒との付き合い方”をご紹介するので、ボディメイク中の参考にしてください!
Contents
ダイエット・ボディメイク中にお酒は禁物?
そもそも筋トレ・ボディメイク・ダイエット中に、お酒を控えたほうが良いのはなぜでしょうか。もちろんお酒で気分が良くなって、つい食べすぎてしまう…というのも原因のひとつです。ですが、アルコールが代謝されるときの体の働きにも理由があります。
大量の糖質を含むお酒も
種類によって、お酒にはたくさんの糖質が含まれています。糖質を摂ると血糖値が上がり、脂肪の蓄積にもつながる「インスリン」というホルモンの分泌が促されることに。
食後に血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇すると、それに反応して膵臓からインスリンが分泌されます。細胞の表面にはインスリン受容体があり、インスリンがこの受容体に結合することで、細胞は血液中のブドウ糖をとりこみ、エネルギー源として利用します。余ったブドウ糖はグリコーゲンや中性脂肪に合成され蓄えられますが、その合成を促進するのもインスリンの働きです。
インスリンは糖質をエネルギーに変えて血糖値を下げてくれますが、同時に、余ったエネルギーを脂肪として蓄えてしまいます。お酒を飲むのなら、含まれる糖質量が少ないものを選びましょう。
空腹を感じやすくなる
前の項目のお話と正反対になってしまいますが、糖質を含まないお酒をたくさん飲むと、血糖値が低くなり空腹を感じやすくなります。
一方でアルコールは低血糖発作を引き起こすことがあります。特にアルコール依存症者でしばしば見られますが、食事を十分にとらずに飲酒すると低血糖になります。それは食事量低下のため肝臓のグリコーゲンが減少しており、さらにアルコールの代謝に伴う種々の代謝経路の変化により糖新生(グリコーゲン以外から糖を産生する)が抑制するためです。
アルコールは肝臓で代謝されますが、体内では「毒物」とみなされます。そのため早く体内からアルコールをなくそうとして、肝臓は他の働きよりもアルコールの代謝を優先。その結果、肝臓で血糖値のコントロールが行われなくなるため血糖値が下がり、空腹を感じやすくなって食べすぎにつながるのです。
コルチゾールで筋肉が分解される
アルコールによって「コルチゾール」というホルモンの分泌が促進されることも理由のひとつです。
長期間アルコールを多飲すると,コルチゾールの分泌増加が見られることが知られている。
コルチゾールには筋肉を分解する働きがあるので、せっかくの筋トレ効果を実感しにくくなってしまいます。アルコールとコルチゾールについての関係は、こちらの記事を参考にしてください。
お酒の種類を知ろう
筋トレ中のお酒との付き合い方を知るために、まずはお酒の種類と特徴について見ておきましょう。
醸造酒
「醸造酒」というのは、糖質が含まれる原料に酵母を加えて発酵させたアルコールのこと。日本酒・ビール・ワインなどが醸造酒です。
蒸留酒
「蒸留酒」は糖質を含まない原料を発酵させた後に蒸留し、蒸気を冷やして作るアルコールのことです。焼酎・ウイスキー・ブランデー・ウォッカ・ラムなどが蒸留酒に該当します。
混成酒
「混成酒」とはアルコールに香料や糖質を入れて作るお酒のことで、醸造酒・蒸留酒のどちらのアルコールからも作られます。梅酒・リキュール・ベルモットなどが混成酒です。
ダイエット・ボディメイク中は「蒸留酒」を選ぼう
筋トレの効果を実感するためや理想の体づくりのためにも、お酒は「蒸留酒」を選ぶべきです。
蒸留酒には糖質が含まれない
ボディメイク中に蒸留酒をおすすめする理由は、糖質が含まれていないからです。醸造酒は米や麦など多くのデンプンを含む原料から作られるので、当然、完成したお酒にも多量の糖質が含まれます。混成酒はアルコールにさらに糖質を加えて作るため、醸造酒を混成酒にした場合、さらに糖質が増えてしまうことに。
その点、蒸留酒はビールなどの醸造酒を蒸留して作りますが、蒸留するときに糖質が取り除かれています。混成酒のように後から糖質が加えられることもないので安心です。ボディメイク中はビールや日本酒よりも、ハイボールや焼酎を選ぶようにしましょう。
蒸留酒でも飲み過ぎには注意!
ダイエット・ボディメイク・筋トレ中のお酒として蒸留酒をおすすめしましたが、どれだけ飲んでも良いということではありません。アルコールは食べ物よりも吸収が早いうえに、体はアルコールを毒物として優先的に分解しようとします。そのため飲みすぎてしまえば、食事から摂取したカロリーを消費しきれずに脂肪として蓄えてしまうのです。
さらに糖質が含まれていない蒸留酒は食欲を増進させるので、おつまみの食べすぎで太ってしまった…ということになりがち。とは言え、あまりに我慢しすぎるのも体に毒です。せっかくの楽しいお酒の席ですから、”適量を楽しむ”くらいのスタンスが良いでしょう。
ダイエット・ボディメイク中のお酒のたしなみ方
美しい体を作るためには、「正しいお酒のたしなみ方」を知っておくことが大切です。“適量”に抑えておくことももちろん大切ですが、飲み方やおつまみの選び方もポイントになります。
お酒のカロリーは200kcal以内に抑える
例え糖質が含まれない蒸留酒であっても、カロリー0ではありません。アルコールのカロリーは1gあたり7.1kcalですが、代謝されるときに熱になる分を差し引いて、1gあたり5kcal程度と言われています。お酒から摂取するカロリーは200kcal以内を目安にすると太りにくいでしょう。
おつまみは高タンパク+少量の糖質を
また、おつまみは高タンパクな枝豆や豆腐がおすすめですが、わずかな糖質を食べると、アルコールの代謝を促してくれます。蒸留酒で低血糖状態になることも防いでくれるので、炭水化物とタンパク質を含むシュウマイなどもおすすめ。ただしいずれにしても、食べ過ぎるとカロリーオーバーになるので適量で抑えておくようにしてください。
お酒を飲むなら蒸留酒!ただし飲み過ぎには注意
ダイエット・ボディメイク・筋トレ中にお酒を飲むなら、糖質を含まない蒸留酒を選ぶようにしましょう。ビールや日本酒などの醸造酒には糖質が含まれていますが、ウイスキーなどの蒸留酒なら糖質過多にならないので比較的安心です。ただしアルコールの代謝が優先されると、血糖値が下がって空腹を感じやすくなるので要注意。
お酒を飲むときのポイントは、1日200kcal以内に抑えること、高タンパクで少量の糖質を含むおつまみを食べることの2つです。蒸留酒には糖質が含まれませんがカロリーはあるので、飲み過ぎには注意しましょう。そしておつまみを食べすぎてしまわないことも大切です。
http://bodyke-live.com/food/can-i-drink-alcohol/http://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2018/06/drink-alcohol.jpghttp://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2018/06/drink-alcohol-150x150.jpgダイエット食事考え方今回は筋トレやボディメイクと「お酒」の関係についてお話させていただきます。ボディメイクに“お酒は禁物”というイメージはありませんか?確かにお酒を飲むと太りやすくなるので、控えたほうがいいといえます。ですがお酒好きな人が禁酒すれば、ストレスが溜まりますし、毎日の楽しみがなくなってしまいますよね。さらにストレスで暴飲暴食をしてしまえば、リバウンドしてしまう可能性も。そこでBodyke流の“お酒との付き合い方”をご紹介するので、ボディメイク中の参考にしてください!ダイエット・ボディメイク中にお酒は禁物?そもそも筋トレ・ボディメイク・ダイエット中に、お酒を控えたほうが良いのはなぜでしょうか。もちろんお酒で気分が良くなって、つい食べすぎてしまう…というのも原因のひとつです。ですが、アルコールが代謝されるときの体の働きにも理由があります。大量の糖質を含むお酒も種類によって、お酒にはたくさんの糖質が含まれています。糖質を摂ると血糖値が上がり、脂肪の蓄積にもつながる「インスリン」というホルモンの分泌が促されることに。食後に血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇すると、それに反応して膵臓からインスリンが分泌されます。細胞の表面にはインスリン受容体があり、インスリンがこの受容体に結合することで、細胞は血液中のブドウ糖をとりこみ、エネルギー源として利用します。余ったブドウ糖はグリコーゲンや中性脂肪に合成され蓄えられますが、その合成を促進するのもインスリンの働きです。 出典:e-ヘルスネット:インスリン(いんすりん)インスリンは糖質をエネルギーに変えて血糖値を下げてくれますが、同時に、余ったエネルギーを脂肪として蓄えてしまいます。お酒を飲むのなら、含まれる糖質量が少ないものを選びましょう。空腹を感じやすくなる前の項目のお話と正反対になってしまいますが、糖質を含まないお酒をたくさん飲むと、血糖値が低くなり空腹を感じやすくなります。一方でアルコールは低血糖発作を引き起こすことがあります。特にアルコール依存症者でしばしば見られますが、食事を十分にとらずに飲酒すると低血糖になります。それは食事量低下のため肝臓のグリコーゲンが減少しており、さらにアルコールの代謝に伴う種々の代謝経路の変化により糖新生(グリコーゲン以外から糖を産生する)が抑制するためです。 出典:e-ヘルスネット:アルコールと糖尿病アルコールは肝臓で代謝されますが、体内では「毒物」とみなされます。そのため早く体内からアルコールをなくそうとして、肝臓は他の働きよりもアルコールの代謝を優先。その結果、肝臓で血糖値のコントロールが行われなくなるため血糖値が下がり、空腹を感じやすくなって食べすぎにつながるのです。コルチゾールで筋肉が分解されるアルコールによって「コルチゾール」というホルモンの分泌が促進されることも理由のひとつです。長期間アルコールを多飲すると,コルチゾールの分泌増加が見られることが知られている。 出典:JSTAGE:(PDF)アルコール多飲者はICUでせん妄状態を起こしやすいのか?コルチゾールには筋肉を分解する働きがあるので、せっかくの筋トレ効果を実感しにくくなってしまいます。アルコールとコルチゾールについての関係は、こちらの記事を参考にしてください。 http://bodyke-live.com/tips/do-not-drink-on-training-day/お酒の種類を知ろう筋トレ中のお酒との付き合い方を知るために、まずはお酒の種類と特徴について見ておきましょう。醸造酒「醸造酒」というのは、糖質が含まれる原料に酵母を加えて発酵させたアルコールのこと。日本酒・ビール・ワインなどが醸造酒です。蒸留酒「蒸留酒」は糖質を含まない原料を発酵させた後に蒸留し、蒸気を冷やして作るアルコールのことです。焼酎・ウイスキー・ブランデー・ウォッカ・ラムなどが蒸留酒に該当します。混成酒「混成酒」とはアルコールに香料や糖質を入れて作るお酒のことで、醸造酒・蒸留酒のどちらのアルコールからも作られます。梅酒・リキュール・ベルモットなどが混成酒です。ダイエット・ボディメイク中は「蒸留酒」を選ぼう筋トレの効果を実感するためや理想の体づくりのためにも、お酒は「蒸留酒」を選ぶべきです。蒸留酒には糖質が含まれないボディメイク中に蒸留酒をおすすめする理由は、糖質が含まれていないからです。醸造酒は米や麦など多くのデンプンを含む原料から作られるので、当然、完成したお酒にも多量の糖質が含まれます。混成酒はアルコールにさらに糖質を加えて作るため、醸造酒を混成酒にした場合、さらに糖質が増えてしまうことに。その点、蒸留酒はビールなどの醸造酒を蒸留して作りますが、蒸留するときに糖質が取り除かれています。混成酒のように後から糖質が加えられることもないので安心です。ボディメイク中はビールや日本酒よりも、ハイボールや焼酎を選ぶようにしましょう。 http://bodyke-live.com/diet/carbohydrate-restriction-three-cause-lose-weight-technique/蒸留酒でも飲み過ぎには注意!ダイエット・ボディメイク・筋トレ中のお酒として蒸留酒をおすすめしましたが、どれだけ飲んでも良いということではありません。アルコールは食べ物よりも吸収が早いうえに、体はアルコールを毒物として優先的に分解しようとします。そのため飲みすぎてしまえば、食事から摂取したカロリーを消費しきれずに脂肪として蓄えてしまうのです。さらに糖質が含まれていない蒸留酒は食欲を増進させるので、おつまみの食べすぎで太ってしまった…ということになりがち。とは言え、あまりに我慢しすぎるのも体に毒です。せっかくの楽しいお酒の席ですから、”適量を楽しむ”くらいのスタンスが良いでしょう。ダイエット・ボディメイク中のお酒のたしなみ方美しい体を作るためには、「正しいお酒のたしなみ方」を知っておくことが大切です。“適量”に抑えておくことももちろん大切ですが、飲み方やおつまみの選び方もポイントになります。お酒のカロリーは200kcal以内に抑える例え糖質が含まれない蒸留酒であっても、カロリー0ではありません。アルコールのカロリーは1gあたり7.1kcalですが、代謝されるときに熱になる分を差し引いて、1gあたり5kcal程度と言われています。お酒から摂取するカロリーは200kcal以内を目安にすると太りにくいでしょう。 http://bodyke-live.com/diet/why-can-not-lose-weight/おつまみは高タンパク+少量の糖質をまた、おつまみは高タンパクな枝豆や豆腐がおすすめですが、わずかな糖質を食べると、アルコールの代謝を促してくれます。蒸留酒で低血糖状態になることも防いでくれるので、炭水化物とタンパク質を含むシュウマイなどもおすすめ。ただしいずれにしても、食べ過ぎるとカロリーオーバーになるので適量で抑えておくようにしてください。 http://bodyke-live.com/diet/green-soybeans-diet-muscle-training-recommended-food/ http://bodyke-live.com/recipe/hot-and-sour-soup-noodles/お酒を飲むなら蒸留酒!ただし飲み過ぎには注意ダイエット・ボディメイク・筋トレ中にお酒を飲むなら、糖質を含まない蒸留酒を選ぶようにしましょう。ビールや日本酒などの醸造酒には糖質が含まれていますが、ウイスキーなどの蒸留酒なら糖質過多にならないので比較的安心です。ただしアルコールの代謝が優先されると、血糖値が下がって空腹を感じやすくなるので要注意。お酒を飲むときのポイントは、1日200kcal以内に抑えること、高タンパクで少量の糖質を含むおつまみを食べることの2つです。蒸留酒には糖質が含まれませんがカロリーはあるので、飲み過ぎには注意しましょう。そしておつまみを食べすぎてしまわないことも大切です。パーソナルトレーナー 青木泰蔵 taizo.bm@gmail.comEditorBodykeLIVE