病気になりにくい体を作る方法
こんにちはパーソナルトレーナーの渡辺です。
生きていくうえで最も重要なのは何か?
と言われたら、最初に何を思い浮かべますか?
なかなか難しい質問かもしれません。
では、生きていくうえで絶対に必要な物というと…「健康な体」です。健康な体がなくては何をすることもできません。
極端な話、体が弱っていると思考も正常ではなくなってしまうためネガティブな気持ちで満たされてしまいますよね。そうすると、簡単に病気になってしまうのです。
今回は、私たちの体がなぜ病気になってしまうのか、病気にならないための体づくりはどうしたらいいのかに着目してみましょう。
なぜ病気になってしまうのか?
もともと私たちの体には、病気と闘うための免疫力が備わっています。
しかし、日々の食事によってはこの免疫機能がどんどん低下してしまうのです。
免疫力が低下してしまうとどういうことが起きるのか…そう、病気になってしまいます。たとえば「がん」はその典型的な病気です。
なぜ免疫システムが破壊されてしまうのでしょうか?どうしたら免疫システムは回復できるのでしょうか?
私たちの体に備わっている免疫力は、現代人になってからついたものではなく、縄文人以前から備わっていたものです。
当時は当たり前ですが、冷暖房などありませんし、厳しい自然環境下で生きていましたので、今よりももっと体調を崩しやすかったといっても過言ではありません。
しかし、祖先たちは体に備わる免疫力によって強く生き延びてきたのです。
しかし、現代人は間違った食生活によってこの大事な免疫システムを壊してしまっています。
人間だけではなく、人間に飼われている犬や猫といったペットも同様で、じつは本来の生き方だったらかかるはずのない文明病で命を落としてしまっていることもあるのです。
逆に、医療の発達によって助かっている命があることも忘れてはいけませんが…。
免疫力の低下によって引き起こされる病気の典型的なものとして挙げられるのが上記で申したように「がん」です。
私たちの体の細胞は、定期的に新しくなっています。
肝臓の細胞でいうと、大体60日に1度の割合で新しくなるのです。
この時に、細胞の遺伝子がコピーされるため、新しい細胞になっても変わりはないはずなのですが、残念ながらコピー機能が完全ではなくごくまれにエラーが起きてしまいます。
また、この細胞が新しくなる時期に、発がん性物質によって外部から刺激を受けるとコピーを間違えてしまうこともあるのです。
このようなエラーが起きた時、本来であれば免疫力が働くことでいびつな細胞を除去してくれます。
いびつな細胞をそのままにしておくとがんになってしまうので、免疫力というのは非常に重要な機能であります。
しかし、免疫力が落ちてしまうことで、このいびつな細胞を見つけることができずに、そのまま体内に居座り続けてしまいおかしな細胞が増えていってしまうことがあるのです。
これががんになる原因です。
現在、ある薬品会社が開発した、これまでの抗がん剤と異なり、免疫力を高めてがんを治癒させようとする薬が大きな注目を集めています。
この薬は、おそらくあらゆるがんに効くのではないかと期待されていますが、現時点では非常に高額(年間3500万円)であるため、一般人には簡単に手が出せるものではありません。
しかし、このような薬ができればいままでがんに苦しんでいた人も健康になれるのではないかということで、日本政府もどうにか金額を安くできないかと動いています。
以上のことから、免疫力というのは非常に重要だということがわかりますよね。
がんに限らず、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、うつ、アルツハイマー病、骨粗鬆症といったあらゆる病気は免疫力の低下が引き起こしているものです。
リウマチや喘息、以前は発症していなかった花粉症やアトピーまでも、自己免疫疾患と言って、本来悪くない細胞を間違って攻撃してしまうことで抗体ができて起こることです。
これもお話ししたように、免疫力が正しく働かなくなってしまったことで起きています。
とくに花粉症やアトピーは深刻な問題です。
昔よりもはるかに患者数が増えています。
古くから自分たちを守ってくれていた免疫システムを、食べ物によって現代人が壊してしまった結果だと言えるでしょう。
病気にならないためにはどうしたらいいのか?
もともと存在していなかった食べ物はなるべく選ばないようにする
人間の歴史というのは非常に長いものです。地球の歴史に比べたら短いですが、寿命からすると何世代も繰り返して現代の私たちがいます。
かつての縄文時代の人間からすると、私たちの寿命は飛躍的に延びています。
とはいっても、「現代の方が生命力が強い」というわけではありません。
私たちが長生きできるようになったのは、医学の進歩や栄養状態の改善によるものです。
一昔前に大流行りしたコレラや結核といった感染症を抑えられるのは医学の進歩。
飢餓による病気や死は栄養状態の改善により少なくなったことが長生きできるようになった大きな理由です。
免疫力の観点から考えると、むしろ縄文人よりも弱まっているのではないかという考えがあります。
現代人の生活には、簡単に栄養をとることができるものもありますが、逆に免疫力を低下させるような不自然な物質もあふれているのです。
たとえば、缶コーヒーや清涼飲料水といった砂糖を溶かした飲み物、ケーキや菓子パンといった砂糖の塊です。
昔から人間は、「甘い物はおいしい」という認識があります。
これは現代に限ったことではなく、昔から花に付着している蜜をなめたり、サトウキビをかじって甘い汁をすすっていたりしました。
しかし、現代とは違い、精製された砂糖というものはなかったのです。
人間の体にとって、精製された砂糖は「想定外」のものであり、大量に体内に入ってくるということを、私たちの免疫システムは考えていません。
見た目をよくするためや、腐敗を防ぐための化学物質が食品に加えられるようになったのもつい最近のことです。
作られてから何日かは真っ白なままカビが生えないようなパンなど昔の人からは考えられなかったことでしょう。
人間の体はゆっくりと進化を重ねてきてはいますが、根本的な免疫システムは変わっていません。
そこにこのような化学物質が加われば当然のことながら壊れてしまいますよね。
虫を寄せ付けないための農薬も、本来であれば食べ物に付着しているはずがない物体です。
一生懸命洗ったとしても完全に落とすことは難しいでしょう。
このように私たちは、健康を守るために最も重要な「食べ物」について、効率・企業戦略・見た目優先で考え、本来であればなかったものを手を加えてしまっているのです。
とはいっても、このような不自然な食べ物の害がすぐに体に影響を及ぼすかといえばそんなことはありません。
糖質の取りすぎで糖尿病になるのは何年も先ですし、発がん性物質によってがんになったとしても、「何年前に食べていた〇〇がいけなかった」と明確に証明することはできません。
その一方で、食中毒はすぐに症状がでます。
原因となる食べ物を食べたら、数時間もすれば下痢や嘔吐に襲われるでしょう。
こうした合図を送ってくれる食べ物こそ本来は正しいものなのです。
それなのに、防腐剤を入れて腐らせないように加工を施しているのですから、自分から免疫システムを壊しているようなものですよね。
いつも満腹な状態はやめる
多くの議論が交わされていますが、私たちが長生きするための研究として動物実験が行われているのは事実です。
これが良いことなのか悪いことなのか…そのことはまた別の話になっていきますが、この実験をすることで私たちの寿命が長くなったり、薬の効果がしっかりとあるのかが証明されています。
現在サルを使った研究により明らかになっているのは、満腹でいるよりもある程度の飢餓状態(大体30%のカロリー制限)に近い方が、長寿遺伝子が活性化されて長生きするということです。
とくに糖質は、エネルギー源として生命維持には欠かせない栄養素です。
そのため「できるだけ節約しよう」とするのが生き物としての本質であり、その糖質が少ししか入ってこないことで本来もっている生命力がしっかりと働くのではないかと考えられています。
これまで何度かお話ししてきましたが、空腹でどか食いをしてしまうのは良い体つくりにとっても健康的な体づくりにとっても、良いことはありません。
その一方で、いつも満腹ではいけないのです。
腹七分目くらいで食事を終えて、血糖値が基準値内で安定している状態が、長生きできる秘訣になるでしょう。
よく噛んで食べるようにする
80歳の時点で、自分の歯が20本以上残っている人が、半数を超えたというニュースが流れています。
これは非常に素晴らしいことで、1999年の調査では20本以上残っている80歳はわずか15%だったそうです。
高齢者の健康維持のためにも、「自分の歯でしっかり噛んで食べる」ということが推奨されていますが、これは高齢者だけではなく、働き盛りの人にとっても「噛んで食べる」ということは重要です。
噛んで食べるという行為は、ただ単に食べ物を細かく砕くだけではありません。
噛むことによって脳からさまざまな指令が出され、胃やすい臓などの消化や吸収に関係するすべての臓器が「これから食べ物が運ばれてくる」という準備を始め、作業を円滑に進めてくれるのです。
もしも噛まないで飲み込んでしまっていたとしたら、脳からの食べ物が入ってくるという指令が出ないため、準備がされていない状態の臓器にいきなり食べ物が運ばれてしまいます。
準備ができていない状態での消化や吸収はなかなか大変で、臓器に負担をかけてしまいます。
また、噛むことによって、脳の満腹中枢から「十分食べた」というお知らせがでるようになり、このお知らせが出るのが遅れてしまえば、本来必要な量よりも多く食べすぎてしまいます。
これでは肥満一直線です。
しかし現代は、あまり噛まないで済むような食べ物が喜ばれています。
「口の中にいれるだけで溶けてしまうような食感」「さくっと崩れるやわらかさ」といった言葉は、魅力的に感じるかもしれませんが、噛まないということは…準備ができないということです。
たしかに柔らかいものでおいしいものはたくさんあります。しかし、健康を考えるのであればもっと固いものも食べてください。
ナッツ類、繊維質の多い野菜、小魚など咀嚼力が必要な物を食べることで、本来の体の中に備わっている力が目覚めることでしょう。
忙しくて食事の時間が取れないからと言って、エネジードリンクやゼリーを食事代わりにするのはいますぐやめてください。
これは、歯が無くなってしまった高齢者が行うようなことであるべきなのです。
こういったものに頼らず、しっかり自分の歯で噛んで食べるようにしましょう。
無農薬野菜を選んでたくさん食べるようにする
やせたいと考えている人の多くは糖質制限食を行っていると思います。
糖質制限食を続けていると、特に男性に出やすいようですが便秘気味になります。これは、お米に含まれる食物繊維が減ってしまうからです。
せっかく食生活を見直していこうと考えているのですから、意識的に野菜をたくさん食べるようにしてみてください。
食物繊維だけではなく、野菜はビタミンやミネラルが豊富で、健康のために大いに摂取すべき食材だと言えます。
しかし、ただやみくもに野菜を食べればいいということではありません。
イモ類などの根菜は糖質が多いものがあります。できるだけ葉物野菜をとるように心がけてください。そして、その中でもできる限り「無農薬」野菜を選んでください。
農薬というのは、劇薬です。農家でも農薬を散布する際には、防毒マスクをして、風向きを気にしながら行います。
それほど毒性が強いものなのです。それでも農薬を散布するのはなぜでしょうか?それは、虫がつかない綺麗な野菜ができるからです。
しかし、よく考えてください。虫が嫌がるような薬品がついている野菜は人間にとっていいものなのでしょうか?
また、農薬を使った野菜は味が変わってしまいます。
無農薬の野菜を食べる習慣がつくことで、その野菜本来のおいしさがわかり、野菜好きになることでしょう。そして、農薬を使った野菜に対して舌が何か変だなと違和感を覚え、自然と避けるようになります。
大きなスーパーであれば、「JASマーク」の入った無農薬野菜を扱っているでしょう。
また、近くに大きなスーパーがなくとも、ネットでも購入することができます。定期的に届けてくれるコースにすれば、いやでも野菜を食べる習慣が身につくのではないでしょうか。
どうしても無農薬の野菜が手に入らないというときは、絶対に良く洗うということを忘れないでください。
流水に付けておくことで、農薬はかなり流れ出ていきます。
しかし、その分ビタミンやミネラルも流れ出てしまうのが難点です。
やはり、野菜を食べるのであれば、無農薬の葉物野菜を生で食べるというのが一番だと言えます。
人工甘味料は砂糖以上に危険なものだと理解する
糖尿病の患者さんや、太ることを心配する人達は「砂糖」を徹底的に避けようとしますが、それでも甘い物はやめられないのか「人工甘味料」を使っていることが多くみられます。
しかし、この人工甘味料は、もしかしたら砂糖以上に危険な物質なのかもしれません。
2015年に「ネイチャー誌」で、人工甘味料についてのとある実験結果が発表されました。
「アステルパーム」「スクラロース」「サッカリン」の3種類の人工甘味料を溶かした水をマウスに与えたところ、普通の砂糖を溶かした水を与えたマウスよりも血糖値が上がったという結果です。
その人工甘味料を与えたマウスと普通の砂糖を与えたマウスのそれぞれの腸内細菌をとり、腸内を無菌状態にした他のマウスに移植したところ、人工甘味料を与えられていたマウスから腸内細菌を移植されたマウスのほうが、血糖値が高くなりました。
さらには、人間でも、人工甘味料を使っていると腸内細菌に変化が生まれるということもわかっています。
もしも、健康的な人が人工甘味料をとり続けていると腸内細菌のバランスが崩れ、「耐糖能(インスリンがブドウ糖を処理する能力)」が低下してしまうという論文も発表されています。
「糖尿病になりたくないから」という理由で、砂糖を避けて人工甘味料を使っていると、かえって糖尿病になってしまうリスクが上がってしまうというわけです。
これらの研究結果から人工甘味料が腸内細菌に悪い作用をすることは間違いないと言えそうですが、なかでも腸粘膜のひだに小さな穴が空いてしまう「リッキーガットシンドローム」は深刻だと言えます。
私たちが食べたものは、胃で消化され、腸から栄養素が吸収され、残りのカスや老廃物は便となって体外へ排出されます。
しかし、リッキーガットシンドロームに陥ってしまうと、本来取り込むべきではない毒素をも取り込んでしまうのです。
その結果、クローン病や食物アレレルギー、リウマチといったような病気を引き起こしてしまうこともあります。
白い砂糖は、人間が作り出した不自然な物質です。しかし、人工甘味料はそれをはるかに上回るおかしな物質なのです。
そもそも、なぜ人工甘味料を使わなくてはいけないのかを考えてみてください。
そこまでしても甘い味をとりたいと思っているのであれば、糖質中毒に陥っている可能性があります。
また、人工甘味料以外でも「果糖ブドウ糖液糖」「果糖液糖」「異性果糖」という表記にされた甘味料もあります。
市販の清涼飲料水に使われていますので、人工甘味料としてとったつもりはないのに、いつのまにかとっていたということもなりかねません。自分が口にするものに関しては、裏の表示をしっかりとみる癖をつけておきましょう。
多くの添加物には発がん性物質があることを認める
友人の家へ遊びに行く際など、お土産を買っていくことがあると思いますが、何を選ぼうかと考えているときに「日持ちがしないものは避けておこう」と思うことがありませんか?
じつはこれ、親切だと考えがちですが、日持ちがするということはたいてい防腐剤が含まれていると考えられるのでできるだけ避けておきましょう。一定の時間が経過すれば、どんな食べ物であれど腐るのは当たり前です。
その当たり前が行われないように手を加えたものは食べない方が良いでしょう。
しかし、多くの日本人は清潔を好みますので、「腐らない」ほうを選んでしまいがちなのです。
同じ理由から、殺菌剤も良く使われています。スーパーで売られているカット野菜の多くには殺菌剤として「次亜塩素酸」が使われていることがあります。
この殺菌剤は回転寿司屋でも使われているものです。
ナッツ類は健康のためにもおすすめの食品でありますが、しかし添加物のチェックは他の食品同様に行ってください。
たとえば「ピスタチオ」によく使われている防かび剤の「OPP(オルトフェノール)」には発がん性があることがわかっています。
添加物の中でも最もたちが悪いとされているのは発色剤です。食物に色をいれるのなんて、海外のお菓子くらいだと思っていませんか?
そんなことはありません。日常目にしているハムやソーセージなどの加工肉にはほとんどが「亜硝酸塩」が使われています。
この亜硝酸塩は、WHOが明確に発がん性を指摘している物質です。
この化学物質を使うことで、ハムやソーセージはピンク色になるのですが、これをおいしそうだと思ってはいけません。
本当の肉の色はピンクではないのです。
添加物に詳しくなるには、とにかく裏の表示をよく見ることです。
食品を売る側としては安全な範囲でというのはもちろんですが、それでもどうしても売れるために使ってしまう化学物質はあります。
そういった情報もしっかりと裏側の表示には書くのが義務付けられていますから、何も考えずに手に取るのではなく、しっかりと表示を見てどのような化学物質が含まれているのかを自分でチェックしていきましょう。
よく見かける食品添加物
- 甘味料:キシリトール・アスパルテーム
- 着色料:クチナシ黄色素・食用黄色4号
- 保存料:ソルビン酸・しらこたん白抽出物
- 増粘剤・安定剤・ゲル化剤:ペクチン・カルボキシメチルセルロース・ナトリウム
- 酸化防止剤:エリソルビン酸ナトリウム
- 発色剤:亜硝酸ナトリウム・硝酸ナトリウム
- 漂白剤:亜硫酸ナトリウム・次亜硫酸ナトリウム
- 防かび剤:リン酸三カルシウム・炭酸アンモニウム
- 光沢剤:シェラック・ミツロウ
- 香料:オレンジ香料・バニリン
などなど
プロテインの過剰摂取は腎臓を壊す原因となる
たんぱく質は私たちの血肉を作るために重要な栄養素のひとつです。
しかし、糖質や脂質と違い、たんぱく質の分解の過程で尿素窒素などの毒素を出すこともわかっています。
これらの毒素は、腎臓のろ過機能によって尿として体外に排出されて健康を保っていますが、もしも腎臓のろ過機能が落ちてしまったら、体中に毒素が回ってしまい最悪、死んでしまうこともありえるのです。
もしも腎臓のろ過機能が弱っているときにたんぱく質を過剰摂取したとすると、ろ過機能が酷使され腎臓が弱ります。健康な人が普通の食事の中からとっている分に関しては過剰摂取になるほどたんぱく質をとることはないでしょう。
問題となるのは、パウダータイプのプロテインといった人工的に作られたものです。トレーニングをしている人にとっては一般的なプロテインも、過剰に摂取してしまうと毒となってしまうのです。
もしも腎臓が心配という場合は、「尿アルブミン」の検査を受けてみてください。
健康診断でも測ることができますが、「血清クレアチニン値」に異常が出ているときは、腎臓が悪くなっていることが考えられます。
食べるもの、食べ方をもう一度考えてみる
海藻を食べることで腸内細菌のバランスを整える
ここ数年で世間から注目を浴びるようになったのが「腸内細菌」です。腸内細菌は、消化や吸収、代謝において重要な役割を果たしていて、肥満や糖尿病、大腸がんにも関係していることがわかっています。
これから研究が進むことでさらに多くの病気との関りが明らかになるかもしれません。
私たちの腸の中に生息している腸内細菌はなんと500種類以上います。
重さにすると1~2キロにもなるほど。腸内細菌には、善玉と悪玉があり、悪玉の割合が増えてしまうと病気になってしまいます。
悪玉菌を減らして善玉菌を増やすために必要なのが食べ物です。
腸内最近の環境は、その人が食べたものによって左右されるということが研究結果によりわかっています。
この研究では、多くの地方のさまざまな人種の腸内細菌を調べて比較をしたのですが、地域によるものよりも、食事内容が似ていると、腸内細菌の環境も似ているということがわかったのです。
また、保存されている先住民のサンプルを調べたところ、現代人が持っていない多様な腸内細菌が存在していて、現代人よりもはるかに腸内環境が良かったと考えられます。
腸内細菌が好むのは、水溶性の食物繊維です。
昆布やわかめなどの海藻や、こんにゃくや寒天に豊富に含まれています。
腸内細菌を整えるには、このような食材を多くとることです。その一方で、野菜に多く含まれている不溶性の食物繊維も見逃してはいけません。
不溶性の食物繊維があることで、便の量を増やし、老廃物を排出することができます。
どちらもバランスよく食べることで、腸の環境を良好に保ちましょう。
便秘というと、男性はあまりなりにくいイメージがあるかもしれませんが、50歳ころになるとだんだんと腸の働きが衰えていき、便秘外来を受信する人口は女性よりも男性の方が増えていくほどです。
そうならないように、今から腸内環境を整えて、腸内細菌を元気にしておきましょう!
塩分摂取量を減らす
30代を超えたあたりから、とくに男性に高血圧が増えてきます。
高血圧はありふれた病気ですが、しっかりと対策をしておかないと怖い病気なのです。
世界188ヵ国で行われた調査で、「死をもたらす修正可能な危険因子は何か」ですが、世界中でも、日本だけに絞ったとしてもトップは高血圧でした。
血圧が高いと、脳卒中の危険性が高まることはもちろんですが、慢性の炎症によって免疫力が低下し、がんにもかかりやすいと考えられます。
高血圧はよくある病気だと思って何もしないということはやめてください。
高血圧は、遺伝的体質も影響しますが、最大の原因というと「肥満」なのです。体重が1キロ増えるごとに、血圧は5mmHGずつあがっていくと言われています。
つまり、高血圧から逃れるためには、まずは糖質を控えて体重を落とすこと、さらに塩分摂取量も減らすことが重要です。
塩分の過剰摂取は、胃がんの発生率を高めることも明らかです。毎日の食事でよくよく注意する必要があります。
日本人は、しょうゆやみそといったように、調味料で塩分過多になってしまう傾向があります。
しかし、実際の食品中の塩分量がどのくらいなのかというのをしっかりと把握している人は少ないため、なかなか自覚できないというのが現状だと思います。
日本人の1日の平均塩分摂取量は男性で11グラム、女性で10グラムです。
厚生労働省では、男性で8グラム、女性で7グラムまで減らすことを推奨しています。
しかし、世界的なWHOで掲げる目標値としては、5グラムなのです。いかに日本人が塩分過多な状態かがわかると思います。
塩分も糖分と同様に、普段からたくさんとっていると舌がマヒしてしまい、もっと濃い味を求めるようになります。
もしも毎日ラーメン生活をしている人ならば、糖質だけではなく確実に塩分もとりすぎな状態になっていて、ダブル中毒に陥っているでしょう。
塩分過多は命に関わる問題です。自分が普段とっている塩分がどのくらいなのかをしっかりと把握して、減らしていく努力をしていきましょう。
カリウムをとることで塩分を排出させやすくする
血圧を下げるためには、体重を減らすことと塩分の多い食べ物を極力減らすということをせつめいしてきました。
さらにもう一つ、「体内から塩分を排出してくれる食品を食べる」ということも効果的です。
私たちの体の細胞内にある体液と、細胞外にある体液は浸透圧により一定の濃度を保っています。
この仕組みを利用して、カリウムをとることで細胞内のナトリウムを排出することができます。また、カリウムには利尿作用があることから、むくみをとるという働きも期待できます。
カリウムが多く含まれているのは野菜や果実です。
ブラジルのヤノマモ族という部族は、そもそも塩を摂取する習慣がありません。
そして、森で取れるバナナやカリウムの多い食事を常食としているため、加齢による血圧上昇がみられないことが分かっています。
血圧を気にしている人は、ヤノマモ族を見習って食生活を変えてみてください!といっても、甘い果実は糖質の取りすぎにつながりますので、野菜を多めにとることを考えましょう。
ポテトチップスは魅惑の悪魔の食べ物
これまで、健康を害する食物として、糖質の過剰摂取やAGEを増やす高温調理、時間が経過して変性した油ものなどをあげてきましたが、じつはこのすべてを満たしてしまう食べ物があるのです。そう、それが「ポテトチップス」です。
ポテトチップスは気軽に食べられますし、味も豊富で一人でもパーティの集まりでもおいしく食べられる魅惑の食べ物ですが、残念ながら悪魔の食べ物なのです。
近年、ポテトチップスやスナック菓子に「ノンフライ」をうたうものが増えてきていますが、これはなんでだと思いますか?
太りたくない人でも食べられるようにですか?いいえ、それだけではありません。
企業が、ようやく「時間のたった油が危険だ!」ということに気付いて自主規制を行うようになったのでしょう。
じつは、ポテトチップスにはこれだけではなく、「アクリルアミド」という発がん性の高い物質が大量に含まれています。
アクリルアミドはAGEのひとつで、もともと工業用に広く使われていた物質なのです。
がんや繁殖障害を起こすことが知られていましたが、あくまでも「公害問題」としてアクリルアミドを調査していたスウェーデンで偶然食品中にもアクリルアミドが存在することがわかったのです。
このことは世界中に衝撃を与え、日本でも厚生労働省や農林水産省を中心として本格的に研究が進められています。
その結果、とくに「120度くらいの高温で加熱した炭水化物」に大量に含まれることが分かりました。
120度というと、ポテトチップスやドーナツ、スナック菓子などになりますので、これらには大量のアクリルアミドが入っていると考えられます。
子のような調査結果が出たということは、スナック菓子業界ではかなりの大打撃を受けたと思います。
世間的にどの程度このニュースが知られているかはわかりませんが、今まで購入していた層がこのことを知ったら確実に購入量は減るでしょう。
そこで、油で揚げるということをやめて「ノンフライ」のスナック菓子を売り出すようになったのです。
ダイエットと称して…。
しかし、上記で述べたように一般消費者というのはこういったニュースをほとんどの人が知らないと思います。
よくよく関心を持っている人ですらどうでしょう?ご存知でしょうか?
そして、このことを知ったみなさんはそれでもスナック菓子を食べたいと思いますか?
それでも食べたいという人もいるでしょう(笑)そういう人は、ノンフライのものを選ぶようにしてくださいね?
もしくは自分で手作りをするというのも手です。
アクリルアミドだけではなく、AGEの害から体を守るためにも、このような情報をいち早く手に入れて、自分の身は自分で守るようにしていきましょう。
赤身のステーキは適量食べるようにする
ずいぶん昔から、「肉好きには血管系疾患の人が多い」と考えられていました。
確かに、霜降りのような人工的に太らせた肉ばかりを多食している人はコレステロール値が上がり、心筋梗塞などの重篤な病気にかかりやすくなるといえます。
食事内容とコレステロールはそこまでリンクしないとは言いますが、脂肪の多い肉を多食しているのであれば話は別です。
その一方で、「肉好きは長寿者である」という事実もあります。
長寿で肉好きな人に共通しているのは、牛や羊などの赤身肉のステーキをよく食べていることです。
しかもその動物は、自然に放牧されているものを選んでいるということです。
自然に放牧されて育った動物の肉は、良質のたんぱく質や鉄分を多く含んでいる非常に優れた食品です。
余分な脂肪もなく、噛み応えがあることからしっかり歯で噛むことができますし、噛みしめることで肉本来のもつおいしさを楽しむことができます。
魚についても、洋食よりも天然の方がおいしく健康に良いのとおなじことですね。一口に「肉」といっても、質が全然異なるのです。
脂肪の多い肉を多食すればコレステロールを上げるだけではなく、大腸がんの引き金になることもあります。肉自体ではなく、動物性脂肪ががんの素になってしまうのです。
霜降り肉は確かに魅力的に見えるかもしれません。
しかし、実態はコレステロール値が上がってしまう肉なのです。人工的に太らせた肉ではなく、自然に放牧されているような肉を食べていきましょう。
具体的には、70グラム程度の赤身の肉を2日に1度の割合でたべるのがおすすめです。結構肉食でもいいのですよ!
コゲはできるだけ避ける
魚を焼いているとどうしても皮の部分コゲやすくなります。このコゲた部分については、発がん性があることが結構昔から言われてきました。
しかし、魚に限らず、コゲた食品はできるだけ避けた方が良いのです。肉についてもコゲてしまえば、「ヘテロサイクリックアミン」という発がん性物質ができることがわかっています。
肉を高温で調理する過程で、何らかの化学反応が起きているのでしょう。
他にも、前述したポテトチップスで説明した「アクリルアミド」のような発がん性物質が、調理によっていろいろな形で現れることは十分に考えられています。
現時点ではまだ発見されていないような発がん性物質もたくさんあることでしょう。
コゲてしまった部分には、発がん性物質だけではなく、AGEもたっぷり含まれます。
肉を焼くと、生肉の10倍にもなるAGEができるのです。バーベキューでコゲたフランクフルトソーセージはおいしそうに思えるかもしれませんが、加工肉にはそれ自体に発がん性物質も含まれていますし、コゲ部分に発がん性物質が含まれていますので、健康を考えるならば絶対に避けておきましょう。
免疫力を高めたいのならば体を冷やさないこと
なんだか体がだるい…風邪かもしれない…というときに熱を測ることが多いと思いますが、脇の下などで測る体温のことを「皮膚体温」と言います。
体の奥の方の「深部体温」に比べて、皮膚体温は1度近く低くなるのです。
皮膚体温で36.5度くらいならば、私たちの体の機能が最もよく働く温度だと言えます。ところが、現代人は皮膚温度が35度くらいの低体温な人が増えています。
50年前くらいの日本人の平均体温は36.8度だと言われていましたから、やはり食べ物などの生活環境の変化が影響しているのでしょう。
この低体温ですが、何が良くないかというと、「体温が下がることで免疫力が落ち、がんやあらゆる病気にかかりやすくなる」という点があります。
低体温ですと血液の流れも悪くなりますので、循環器の疾患はもちろんのこと、肩こりなども起こりやすくなります。
冬場はもちろんですが、夏についてもクーラーの温度を下げすぎたり、冷たいものばかりを食べるのはやめましょう。
しょうがやとうがらしなどの体を温める効能があるものを入れた温かいスープを意識的にとり、体温を上げるようにしましょう。
油を使うならオリーブオイル!
なぜオリーブオイルが良いとされるのか
サケの脂肪は多価不飽和脂肪酸であるオメガ3が多くなっています。
青魚に含まれるDHAやEPAはこのオメガ3系に属しています。一時期、オメガ6系のリノール酸が健康にいいという噂があり、トウモロコシやヒマワリを原料とした油が世に蔓延しました。
ところが、現在の研究では、リノール酸は動脈硬化を進行させることが分かっています。
さらにバターの代わりにマーガリンを使う方が良いとされた時代もありましたが、マーガリンは本来液体である植物性の油を人工的に固形にした不自然な物質です。このマーガリンに含まれるトランス脂肪酸は非常に危険な物質で、心疾患を増やすということが分かっています。
そのため、現在欧米ではトランス脂肪酸の使用が厳しく規制されているのですが、日本では全然そのようなことはありません。
スーパーでもコンビニでもマーガリンは購入できますし、菓子パンやスナック菓子いんは多くのマーガリンやショートニングといった油が使われています。
しかし、そこにはトランス脂肪酸が多く含まれているということをしっかりと認識してください。
このように、脂質については「良い」とされていたものが、数年後の研究では「危険」だと変わるものも多いため、その時の情報で飛びついて惑わされてしまうことも多いでしょう。
現在で言えば、「ココナッツオイル」が良いと言われていますが、ココナッツオイルにはすでに発がん性が疑われています。
科学的に証明がされていないためまだ確実ではありませんが、90%以上が飽和脂肪酸で、動脈硬化を進める動物性脂肪ですのでおそらくは危険なのではないかと言われています。
その一方、オリーブオイルは昔から変わらずほぼ100%健康にいい油として言われています。
2016年の研究では、エキストラバージンオリーブオイルは食後の血糖値を50mg/㎗以上下げられることが研究結果としてでています。摂取量としての目安は、大さじ1~2杯ぐらいが良いでしょう。
しかし、オリーブオイルの中でも気を付けてほしいことはいくつかあります。
- 高品質で加熱処理をしていないもの
- 製造日からあまり日付が経っていないもの
- 開封したら早めに使い切ること
この3つの条件は守ってください。
オリーブオイルは、液体の油ですが比較的変性しにくいと言われています。何度かお話ししていますが、油は変性することで毒性が強くなっていくので、変性しにくいというのは大きなメリットです。
変性し酸化した典型的なものが「過酸化脂質」です。過酸化脂質は発がん性物質と考えられていて、酸化LDLを使い、動脈硬化の原因となります。過酸化脂質は、私たちの体内でも作られている物質で、食品にも含まれています。とくに、油で調理して時間が経過した食べ物には大量に含まれています。
スーパーやコンビニで売られている揚げ物というのは、残念ながら調理後すぐというわけにはいかずかなりの時間が経過した食べ物になりますので、過酸化脂質は大量に含まれてしまっていると考えてください。
どうしても揚げ物が食べたいというのならば、とんかつ屋や串カツ屋で新鮮な油を使って作られた揚げたてのものを食べるようにしましょう。
青魚に含まれているDHAやEPAは酸化しやすいのが欠点です。あじの干物も日本人はよく食べますが、過酸化脂質が多く含まれてしまっています。
どの様な油にしても、変性はしてしまうと考えてください。
加熱処理していないエキストラバージンオリーブオイルだとしても、冷暗所で保管し、新鮮なうちに使い切るようにしましょう。
古い油は使わない
私たちの体にはたくさんの細胞があります。これらの細胞は1個1個すべてが細胞膜に覆われています。この細胞膜の原料は何かというと脂質でできているのです。
そのため、細胞を良い状態で保つためには、脂質がある程度は必須になります。
とはいっても、脂質はとり方を間違うと毒になってしまい、いつまでも体内に残る良くない物体となります。
脂質の種類は複雑ですが、大きく分けると「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があります。不飽和脂肪酸には、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸があり、さらに多価不飽和脂肪酸はオメガ6系とオメガ3系の2つに分かれています。
オメガ3系のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、動脈硬化を抑え、神経を健全に保つ優れた作用があります。
オメガ3系の脂質をとるために青魚を食べるようにということは聞いたことがあるのではないでしょうか?
私たちが普段口にしている油というのはさまざまな脂質を含んでいます。動物に由来しているものは飽和脂肪酸が多いものになります。
植物性の中では、ココナッツオイルが突出して飽和脂肪酸が多いものになります。飽和脂肪酸が多いと、常温で固体になるという性質があります。
私たちの体の中でも固まりやすい性質があると考えられますので、肉類などを過剰に摂取することで血液がドロドロ状態になり、心筋梗塞になりやすくなるというのも理解できるでしょう。
その一方で、飽和脂肪酸は固体ゆえに変質しにくいというメリットもあります。脂質は変性が非常に厄介なもので、酸化してしまった油は毒性の強い物質に変化してしまいます。
古い揚げ物を食べると胃がムカムカするというのは、油の酸化が原因なのです。酸化した質の悪い油を摂取してしまうと、消化器に直接の症状が現れるだけではなく、長期的に見て細胞1個1個を覆う細胞膜すらも変質させてしまいます。
よく、揚げ物の後の油はもったいないからと言ってろ過して何回も使おうという主婦がいらっしゃいますが、これは健康の面から言うと良くないことです。
揚げ物をする際には、毎回新しい油を使って作るようにしましょう。
まとめ
今回は、人間がなぜ病気になってしまうのか。どうしたら病気になりにくいのか。
についてまとめてきました。ウイルス性のものやどうしても避けられない病気というのはありますが、いつも健康でいる人や逆にいつも体調が悪そうな人もいます。そんな人には理由があるのです。
そして、その理由を突き止めて、病気になりにくくする方法を実践していけばいつでも健康的な体を手に入れることができます!
最近不調だな?と感じている人は、今の生活を見直してみてはいかがでしょうか?
http://bodyke-live.com/basic-knowledge/how-to-make-a-less-likely-sick-body/http://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2018/09/joy-girl-e1537682822996-1024x641.jpghttp://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2018/09/joy-girl-e1537682822996-150x150.jpg基礎知識こんにちはパーソナルトレーナーの渡辺です。生きていくうえで最も重要なのは何か?と言われたら、最初に何を思い浮かべますか?なかなか難しい質問かもしれません。では、生きていくうえで絶対に必要な物というと…「健康な体」です。健康な体がなくては何をすることもできません。極端な話、体が弱っていると思考も正常ではなくなってしまうためネガティブな気持ちで満たされてしまいますよね。そうすると、簡単に病気になってしまうのです。今回は、私たちの体がなぜ病気になってしまうのか、病気にならないための体づくりはどうしたらいいのかに着目してみましょう。なぜ病気になってしまうのか?もともと私たちの体には、病気と闘うための免疫力が備わっています。しかし、日々の食事によってはこの免疫機能がどんどん低下してしまうのです。免疫力が低下してしまうとどういうことが起きるのか…そう、病気になってしまいます。たとえば「がん」はその典型的な病気です。なぜ免疫システムが破壊されてしまうのでしょうか?どうしたら免疫システムは回復できるのでしょうか?私たちの体に備わっている免疫力は、現代人になってからついたものではなく、縄文人以前から備わっていたものです。当時は当たり前ですが、冷暖房などありませんし、厳しい自然環境下で生きていましたので、今よりももっと体調を崩しやすかったといっても過言ではありません。しかし、祖先たちは体に備わる免疫力によって強く生き延びてきたのです。しかし、現代人は間違った食生活によってこの大事な免疫システムを壊してしまっています。人間だけではなく、人間に飼われている犬や猫といったペットも同様で、じつは本来の生き方だったらかかるはずのない文明病で命を落としてしまっていることもあるのです。逆に、医療の発達によって助かっている命があることも忘れてはいけませんが…。免疫力の低下によって引き起こされる病気の典型的なものとして挙げられるのが上記で申したように「がん」です。私たちの体の細胞は、定期的に新しくなっています。肝臓の細胞でいうと、大体60日に1度の割合で新しくなるのです。この時に、細胞の遺伝子がコピーされるため、新しい細胞になっても変わりはないはずなのですが、残念ながらコピー機能が完全ではなくごくまれにエラーが起きてしまいます。また、この細胞が新しくなる時期に、発がん性物質によって外部から刺激を受けるとコピーを間違えてしまうこともあるのです。このようなエラーが起きた時、本来であれば免疫力が働くことでいびつな細胞を除去してくれます。いびつな細胞をそのままにしておくとがんになってしまうので、免疫力というのは非常に重要な機能であります。しかし、免疫力が落ちてしまうことで、このいびつな細胞を見つけることができずに、そのまま体内に居座り続けてしまいおかしな細胞が増えていってしまうことがあるのです。これががんになる原因です。現在、ある薬品会社が開発した、これまでの抗がん剤と異なり、免疫力を高めてがんを治癒させようとする薬が大きな注目を集めています。この薬は、おそらくあらゆるがんに効くのではないかと期待されていますが、現時点では非常に高額(年間3500万円)であるため、一般人には簡単に手が出せるものではありません。しかし、このような薬ができればいままでがんに苦しんでいた人も健康になれるのではないかということで、日本政府もどうにか金額を安くできないかと動いています。以上のことから、免疫力というのは非常に重要だということがわかりますよね。がんに限らず、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、うつ、アルツハイマー病、骨粗鬆症といったあらゆる病気は免疫力の低下が引き起こしているものです。リウマチや喘息、以前は発症していなかった花粉症やアトピーまでも、自己免疫疾患と言って、本来悪くない細胞を間違って攻撃してしまうことで抗体ができて起こることです。これもお話ししたように、免疫力が正しく働かなくなってしまったことで起きています。とくに花粉症やアトピーは深刻な問題です。昔よりもはるかに患者数が増えています。古くから自分たちを守ってくれていた免疫システムを、食べ物によって現代人が壊してしまった結果だと言えるでしょう。 病気にならないためにはどうしたらいいのか?もともと存在していなかった食べ物はなるべく選ばないようにする人間の歴史というのは非常に長いものです。地球の歴史に比べたら短いですが、寿命からすると何世代も繰り返して現代の私たちがいます。かつての縄文時代の人間からすると、私たちの寿命は飛躍的に延びています。とはいっても、「現代の方が生命力が強い」というわけではありません。私たちが長生きできるようになったのは、医学の進歩や栄養状態の改善によるものです。一昔前に大流行りしたコレラや結核といった感染症を抑えられるのは医学の進歩。飢餓による病気や死は栄養状態の改善により少なくなったことが長生きできるようになった大きな理由です。免疫力の観点から考えると、むしろ縄文人よりも弱まっているのではないかという考えがあります。現代人の生活には、簡単に栄養をとることができるものもありますが、逆に免疫力を低下させるような不自然な物質もあふれているのです。たとえば、缶コーヒーや清涼飲料水といった砂糖を溶かした飲み物、ケーキや菓子パンといった砂糖の塊です。昔から人間は、「甘い物はおいしい」という認識があります。これは現代に限ったことではなく、昔から花に付着している蜜をなめたり、サトウキビをかじって甘い汁をすすっていたりしました。しかし、現代とは違い、精製された砂糖というものはなかったのです。人間の体にとって、精製された砂糖は「想定外」のものであり、大量に体内に入ってくるということを、私たちの免疫システムは考えていません。見た目をよくするためや、腐敗を防ぐための化学物質が食品に加えられるようになったのもつい最近のことです。作られてから何日かは真っ白なままカビが生えないようなパンなど昔の人からは考えられなかったことでしょう。人間の体はゆっくりと進化を重ねてきてはいますが、根本的な免疫システムは変わっていません。そこにこのような化学物質が加われば当然のことながら壊れてしまいますよね。虫を寄せ付けないための農薬も、本来であれば食べ物に付着しているはずがない物体です。一生懸命洗ったとしても完全に落とすことは難しいでしょう。このように私たちは、健康を守るために最も重要な「食べ物」について、効率・企業戦略・見た目優先で考え、本来であればなかったものを手を加えてしまっているのです。とはいっても、このような不自然な食べ物の害がすぐに体に影響を及ぼすかといえばそんなことはありません。糖質の取りすぎで糖尿病になるのは何年も先ですし、発がん性物質によってがんになったとしても、「何年前に食べていた〇〇がいけなかった」と明確に証明することはできません。その一方で、食中毒はすぐに症状がでます。原因となる食べ物を食べたら、数時間もすれば下痢や嘔吐に襲われるでしょう。こうした合図を送ってくれる食べ物こそ本来は正しいものなのです。それなのに、防腐剤を入れて腐らせないように加工を施しているのですから、自分から免疫システムを壊しているようなものですよね。 いつも満腹な状態はやめる多くの議論が交わされていますが、私たちが長生きするための研究として動物実験が行われているのは事実です。これが良いことなのか悪いことなのか…そのことはまた別の話になっていきますが、この実験をすることで私たちの寿命が長くなったり、薬の効果がしっかりとあるのかが証明されています。現在サルを使った研究により明らかになっているのは、満腹でいるよりもある程度の飢餓状態(大体30%のカロリー制限)に近い方が、長寿遺伝子が活性化されて長生きするということです。とくに糖質は、エネルギー源として生命維持には欠かせない栄養素です。そのため「できるだけ節約しよう」とするのが生き物としての本質であり、その糖質が少ししか入ってこないことで本来もっている生命力がしっかりと働くのではないかと考えられています。これまで何度かお話ししてきましたが、空腹でどか食いをしてしまうのは良い体つくりにとっても健康的な体づくりにとっても、良いことはありません。その一方で、いつも満腹ではいけないのです。腹七分目くらいで食事を終えて、血糖値が基準値内で安定している状態が、長生きできる秘訣になるでしょう。 よく噛んで食べるようにする80歳の時点で、自分の歯が20本以上残っている人が、半数を超えたというニュースが流れています。これは非常に素晴らしいことで、1999年の調査では20本以上残っている80歳はわずか15%だったそうです。高齢者の健康維持のためにも、「自分の歯でしっかり噛んで食べる」ということが推奨されていますが、これは高齢者だけではなく、働き盛りの人にとっても「噛んで食べる」ということは重要です。噛んで食べるという行為は、ただ単に食べ物を細かく砕くだけではありません。噛むことによって脳からさまざまな指令が出され、胃やすい臓などの消化や吸収に関係するすべての臓器が「これから食べ物が運ばれてくる」という準備を始め、作業を円滑に進めてくれるのです。もしも噛まないで飲み込んでしまっていたとしたら、脳からの食べ物が入ってくるという指令が出ないため、準備がされていない状態の臓器にいきなり食べ物が運ばれてしまいます。準備ができていない状態での消化や吸収はなかなか大変で、臓器に負担をかけてしまいます。また、噛むことによって、脳の満腹中枢から「十分食べた」というお知らせがでるようになり、このお知らせが出るのが遅れてしまえば、本来必要な量よりも多く食べすぎてしまいます。これでは肥満一直線です。しかし現代は、あまり噛まないで済むような食べ物が喜ばれています。「口の中にいれるだけで溶けてしまうような食感」「さくっと崩れるやわらかさ」といった言葉は、魅力的に感じるかもしれませんが、噛まないということは…準備ができないということです。たしかに柔らかいものでおいしいものはたくさんあります。しかし、健康を考えるのであればもっと固いものも食べてください。ナッツ類、繊維質の多い野菜、小魚など咀嚼力が必要な物を食べることで、本来の体の中に備わっている力が目覚めることでしょう。忙しくて食事の時間が取れないからと言って、エネジードリンクやゼリーを食事代わりにするのはいますぐやめてください。これは、歯が無くなってしまった高齢者が行うようなことであるべきなのです。こういったものに頼らず、しっかり自分の歯で噛んで食べるようにしましょう。 無農薬野菜を選んでたくさん食べるようにするやせたいと考えている人の多くは糖質制限食を行っていると思います。糖質制限食を続けていると、特に男性に出やすいようですが便秘気味になります。これは、お米に含まれる食物繊維が減ってしまうからです。せっかく食生活を見直していこうと考えているのですから、意識的に野菜をたくさん食べるようにしてみてください。食物繊維だけではなく、野菜はビタミンやミネラルが豊富で、健康のために大いに摂取すべき食材だと言えます。しかし、ただやみくもに野菜を食べればいいということではありません。イモ類などの根菜は糖質が多いものがあります。できるだけ葉物野菜をとるように心がけてください。そして、その中でもできる限り「無農薬」野菜を選んでください。農薬というのは、劇薬です。農家でも農薬を散布する際には、防毒マスクをして、風向きを気にしながら行います。それほど毒性が強いものなのです。それでも農薬を散布するのはなぜでしょうか?それは、虫がつかない綺麗な野菜ができるからです。しかし、よく考えてください。虫が嫌がるような薬品がついている野菜は人間にとっていいものなのでしょうか?また、農薬を使った野菜は味が変わってしまいます。無農薬の野菜を食べる習慣がつくことで、その野菜本来のおいしさがわかり、野菜好きになることでしょう。そして、農薬を使った野菜に対して舌が何か変だなと違和感を覚え、自然と避けるようになります。大きなスーパーであれば、「JASマーク」の入った無農薬野菜を扱っているでしょう。また、近くに大きなスーパーがなくとも、ネットでも購入することができます。定期的に届けてくれるコースにすれば、いやでも野菜を食べる習慣が身につくのではないでしょうか。どうしても無農薬の野菜が手に入らないというときは、絶対に良く洗うということを忘れないでください。流水に付けておくことで、農薬はかなり流れ出ていきます。しかし、その分ビタミンやミネラルも流れ出てしまうのが難点です。やはり、野菜を食べるのであれば、無農薬の葉物野菜を生で食べるというのが一番だと言えます。 人工甘味料は砂糖以上に危険なものだと理解する糖尿病の患者さんや、太ることを心配する人達は「砂糖」を徹底的に避けようとしますが、それでも甘い物はやめられないのか「人工甘味料」を使っていることが多くみられます。しかし、この人工甘味料は、もしかしたら砂糖以上に危険な物質なのかもしれません。2015年に「ネイチャー誌」で、人工甘味料についてのとある実験結果が発表されました。「アステルパーム」「スクラロース」「サッカリン」の3種類の人工甘味料を溶かした水をマウスに与えたところ、普通の砂糖を溶かした水を与えたマウスよりも血糖値が上がったという結果です。その人工甘味料を与えたマウスと普通の砂糖を与えたマウスのそれぞれの腸内細菌をとり、腸内を無菌状態にした他のマウスに移植したところ、人工甘味料を与えられていたマウスから腸内細菌を移植されたマウスのほうが、血糖値が高くなりました。さらには、人間でも、人工甘味料を使っていると腸内細菌に変化が生まれるということもわかっています。もしも、健康的な人が人工甘味料をとり続けていると腸内細菌のバランスが崩れ、「耐糖能(インスリンがブドウ糖を処理する能力)」が低下してしまうという論文も発表されています。「糖尿病になりたくないから」という理由で、砂糖を避けて人工甘味料を使っていると、かえって糖尿病になってしまうリスクが上がってしまうというわけです。これらの研究結果から人工甘味料が腸内細菌に悪い作用をすることは間違いないと言えそうですが、なかでも腸粘膜のひだに小さな穴が空いてしまう「リッキーガットシンドローム」は深刻だと言えます。私たちが食べたものは、胃で消化され、腸から栄養素が吸収され、残りのカスや老廃物は便となって体外へ排出されます。しかし、リッキーガットシンドロームに陥ってしまうと、本来取り込むべきではない毒素をも取り込んでしまうのです。その結果、クローン病や食物アレレルギー、リウマチといったような病気を引き起こしてしまうこともあります。白い砂糖は、人間が作り出した不自然な物質です。しかし、人工甘味料はそれをはるかに上回るおかしな物質なのです。そもそも、なぜ人工甘味料を使わなくてはいけないのかを考えてみてください。そこまでしても甘い味をとりたいと思っているのであれば、糖質中毒に陥っている可能性があります。また、人工甘味料以外でも「果糖ブドウ糖液糖」「果糖液糖」「異性果糖」という表記にされた甘味料もあります。市販の清涼飲料水に使われていますので、人工甘味料としてとったつもりはないのに、いつのまにかとっていたということもなりかねません。自分が口にするものに関しては、裏の表示をしっかりとみる癖をつけておきましょう。 多くの添加物には発がん性物質があることを認める友人の家へ遊びに行く際など、お土産を買っていくことがあると思いますが、何を選ぼうかと考えているときに「日持ちがしないものは避けておこう」と思うことがありませんか?じつはこれ、親切だと考えがちですが、日持ちがするということはたいてい防腐剤が含まれていると考えられるのでできるだけ避けておきましょう。一定の時間が経過すれば、どんな食べ物であれど腐るのは当たり前です。その当たり前が行われないように手を加えたものは食べない方が良いでしょう。しかし、多くの日本人は清潔を好みますので、「腐らない」ほうを選んでしまいがちなのです。同じ理由から、殺菌剤も良く使われています。スーパーで売られているカット野菜の多くには殺菌剤として「次亜塩素酸」が使われていることがあります。この殺菌剤は回転寿司屋でも使われているものです。ナッツ類は健康のためにもおすすめの食品でありますが、しかし添加物のチェックは他の食品同様に行ってください。たとえば「ピスタチオ」によく使われている防かび剤の「OPP(オルトフェノール)」には発がん性があることがわかっています。添加物の中でも最もたちが悪いとされているのは発色剤です。食物に色をいれるのなんて、海外のお菓子くらいだと思っていませんか?そんなことはありません。日常目にしているハムやソーセージなどの加工肉にはほとんどが「亜硝酸塩」が使われています。この亜硝酸塩は、WHOが明確に発がん性を指摘している物質です。この化学物質を使うことで、ハムやソーセージはピンク色になるのですが、これをおいしそうだと思ってはいけません。本当の肉の色はピンクではないのです。添加物に詳しくなるには、とにかく裏の表示をよく見ることです。食品を売る側としては安全な範囲でというのはもちろんですが、それでもどうしても売れるために使ってしまう化学物質はあります。そういった情報もしっかりと裏側の表示には書くのが義務付けられていますから、何も考えずに手に取るのではなく、しっかりと表示を見てどのような化学物質が含まれているのかを自分でチェックしていきましょう。よく見かける食品添加物甘味料:キシリトール・アスパルテーム 着色料:クチナシ黄色素・食用黄色4号 保存料:ソルビン酸・しらこたん白抽出物 増粘剤・安定剤・ゲル化剤:ペクチン・カルボキシメチルセルロース・ナトリウム 酸化防止剤:エリソルビン酸ナトリウム 発色剤:亜硝酸ナトリウム・硝酸ナトリウム 漂白剤:亜硫酸ナトリウム・次亜硫酸ナトリウム 防かび剤:リン酸三カルシウム・炭酸アンモニウム 光沢剤:シェラック・ミツロウ 香料:オレンジ香料・バニリンなどなど プロテインの過剰摂取は腎臓を壊す原因となるたんぱく質は私たちの血肉を作るために重要な栄養素のひとつです。しかし、糖質や脂質と違い、たんぱく質の分解の過程で尿素窒素などの毒素を出すこともわかっています。これらの毒素は、腎臓のろ過機能によって尿として体外に排出されて健康を保っていますが、もしも腎臓のろ過機能が落ちてしまったら、体中に毒素が回ってしまい最悪、死んでしまうこともありえるのです。もしも腎臓のろ過機能が弱っているときにたんぱく質を過剰摂取したとすると、ろ過機能が酷使され腎臓が弱ります。健康な人が普通の食事の中からとっている分に関しては過剰摂取になるほどたんぱく質をとることはないでしょう。問題となるのは、パウダータイプのプロテインといった人工的に作られたものです。トレーニングをしている人にとっては一般的なプロテインも、過剰に摂取してしまうと毒となってしまうのです。もしも腎臓が心配という場合は、「尿アルブミン」の検査を受けてみてください。健康診断でも測ることができますが、「血清クレアチニン値」に異常が出ているときは、腎臓が悪くなっていることが考えられます。 食べるもの、食べ方をもう一度考えてみる海藻を食べることで腸内細菌のバランスを整えるここ数年で世間から注目を浴びるようになったのが「腸内細菌」です。腸内細菌は、消化や吸収、代謝において重要な役割を果たしていて、肥満や糖尿病、大腸がんにも関係していることがわかっています。これから研究が進むことでさらに多くの病気との関りが明らかになるかもしれません。私たちの腸の中に生息している腸内細菌はなんと500種類以上います。重さにすると1~2キロにもなるほど。腸内細菌には、善玉と悪玉があり、悪玉の割合が増えてしまうと病気になってしまいます。悪玉菌を減らして善玉菌を増やすために必要なのが食べ物です。腸内最近の環境は、その人が食べたものによって左右されるということが研究結果によりわかっています。この研究では、多くの地方のさまざまな人種の腸内細菌を調べて比較をしたのですが、地域によるものよりも、食事内容が似ていると、腸内細菌の環境も似ているということがわかったのです。また、保存されている先住民のサンプルを調べたところ、現代人が持っていない多様な腸内細菌が存在していて、現代人よりもはるかに腸内環境が良かったと考えられます。腸内細菌が好むのは、水溶性の食物繊維です。昆布やわかめなどの海藻や、こんにゃくや寒天に豊富に含まれています。腸内細菌を整えるには、このような食材を多くとることです。その一方で、野菜に多く含まれている不溶性の食物繊維も見逃してはいけません。不溶性の食物繊維があることで、便の量を増やし、老廃物を排出することができます。どちらもバランスよく食べることで、腸の環境を良好に保ちましょう。便秘というと、男性はあまりなりにくいイメージがあるかもしれませんが、50歳ころになるとだんだんと腸の働きが衰えていき、便秘外来を受信する人口は女性よりも男性の方が増えていくほどです。そうならないように、今から腸内環境を整えて、腸内細菌を元気にしておきましょう! 塩分摂取量を減らす30代を超えたあたりから、とくに男性に高血圧が増えてきます。高血圧はありふれた病気ですが、しっかりと対策をしておかないと怖い病気なのです。世界188ヵ国で行われた調査で、「死をもたらす修正可能な危険因子は何か」ですが、世界中でも、日本だけに絞ったとしてもトップは高血圧でした。血圧が高いと、脳卒中の危険性が高まることはもちろんですが、慢性の炎症によって免疫力が低下し、がんにもかかりやすいと考えられます。高血圧はよくある病気だと思って何もしないということはやめてください。高血圧は、遺伝的体質も影響しますが、最大の原因というと「肥満」なのです。体重が1キロ増えるごとに、血圧は5mmHGずつあがっていくと言われています。つまり、高血圧から逃れるためには、まずは糖質を控えて体重を落とすこと、さらに塩分摂取量も減らすことが重要です。塩分の過剰摂取は、胃がんの発生率を高めることも明らかです。毎日の食事でよくよく注意する必要があります。日本人は、しょうゆやみそといったように、調味料で塩分過多になってしまう傾向があります。しかし、実際の食品中の塩分量がどのくらいなのかというのをしっかりと把握している人は少ないため、なかなか自覚できないというのが現状だと思います。日本人の1日の平均塩分摂取量は男性で11グラム、女性で10グラムです。厚生労働省では、男性で8グラム、女性で7グラムまで減らすことを推奨しています。しかし、世界的なWHOで掲げる目標値としては、5グラムなのです。いかに日本人が塩分過多な状態かがわかると思います。塩分も糖分と同様に、普段からたくさんとっていると舌がマヒしてしまい、もっと濃い味を求めるようになります。もしも毎日ラーメン生活をしている人ならば、糖質だけではなく確実に塩分もとりすぎな状態になっていて、ダブル中毒に陥っているでしょう。塩分過多は命に関わる問題です。自分が普段とっている塩分がどのくらいなのかをしっかりと把握して、減らしていく努力をしていきましょう。 カリウムをとることで塩分を排出させやすくする血圧を下げるためには、体重を減らすことと塩分の多い食べ物を極力減らすということをせつめいしてきました。さらにもう一つ、「体内から塩分を排出してくれる食品を食べる」ということも効果的です。私たちの体の細胞内にある体液と、細胞外にある体液は浸透圧により一定の濃度を保っています。この仕組みを利用して、カリウムをとることで細胞内のナトリウムを排出することができます。また、カリウムには利尿作用があることから、むくみをとるという働きも期待できます。カリウムが多く含まれているのは野菜や果実です。ブラジルのヤノマモ族という部族は、そもそも塩を摂取する習慣がありません。そして、森で取れるバナナやカリウムの多い食事を常食としているため、加齢による血圧上昇がみられないことが分かっています。血圧を気にしている人は、ヤノマモ族を見習って食生活を変えてみてください!といっても、甘い果実は糖質の取りすぎにつながりますので、野菜を多めにとることを考えましょう。 ポテトチップスは魅惑の悪魔の食べ物これまで、健康を害する食物として、糖質の過剰摂取やAGEを増やす高温調理、時間が経過して変性した油ものなどをあげてきましたが、じつはこのすべてを満たしてしまう食べ物があるのです。そう、それが「ポテトチップス」です。ポテトチップスは気軽に食べられますし、味も豊富で一人でもパーティの集まりでもおいしく食べられる魅惑の食べ物ですが、残念ながら悪魔の食べ物なのです。近年、ポテトチップスやスナック菓子に「ノンフライ」をうたうものが増えてきていますが、これはなんでだと思いますか?太りたくない人でも食べられるようにですか?いいえ、それだけではありません。企業が、ようやく「時間のたった油が危険だ!」ということに気付いて自主規制を行うようになったのでしょう。じつは、ポテトチップスにはこれだけではなく、「アクリルアミド」という発がん性の高い物質が大量に含まれています。アクリルアミドはAGEのひとつで、もともと工業用に広く使われていた物質なのです。がんや繁殖障害を起こすことが知られていましたが、あくまでも「公害問題」としてアクリルアミドを調査していたスウェーデンで偶然食品中にもアクリルアミドが存在することがわかったのです。このことは世界中に衝撃を与え、日本でも厚生労働省や農林水産省を中心として本格的に研究が進められています。その結果、とくに「120度くらいの高温で加熱した炭水化物」に大量に含まれることが分かりました。120度というと、ポテトチップスやドーナツ、スナック菓子などになりますので、これらには大量のアクリルアミドが入っていると考えられます。子のような調査結果が出たということは、スナック菓子業界ではかなりの大打撃を受けたと思います。世間的にどの程度このニュースが知られているかはわかりませんが、今まで購入していた層がこのことを知ったら確実に購入量は減るでしょう。そこで、油で揚げるということをやめて「ノンフライ」のスナック菓子を売り出すようになったのです。ダイエットと称して…。しかし、上記で述べたように一般消費者というのはこういったニュースをほとんどの人が知らないと思います。よくよく関心を持っている人ですらどうでしょう?ご存知でしょうか?そして、このことを知ったみなさんはそれでもスナック菓子を食べたいと思いますか?それでも食べたいという人もいるでしょう(笑)そういう人は、ノンフライのものを選ぶようにしてくださいね?もしくは自分で手作りをするというのも手です。アクリルアミドだけではなく、AGEの害から体を守るためにも、このような情報をいち早く手に入れて、自分の身は自分で守るようにしていきましょう。 赤身のステーキは適量食べるようにするずいぶん昔から、「肉好きには血管系疾患の人が多い」と考えられていました。確かに、霜降りのような人工的に太らせた肉ばかりを多食している人はコレステロール値が上がり、心筋梗塞などの重篤な病気にかかりやすくなるといえます。食事内容とコレステロールはそこまでリンクしないとは言いますが、脂肪の多い肉を多食しているのであれば話は別です。その一方で、「肉好きは長寿者である」という事実もあります。長寿で肉好きな人に共通しているのは、牛や羊などの赤身肉のステーキをよく食べていることです。しかもその動物は、自然に放牧されているものを選んでいるということです。自然に放牧されて育った動物の肉は、良質のたんぱく質や鉄分を多く含んでいる非常に優れた食品です。余分な脂肪もなく、噛み応えがあることからしっかり歯で噛むことができますし、噛みしめることで肉本来のもつおいしさを楽しむことができます。魚についても、洋食よりも天然の方がおいしく健康に良いのとおなじことですね。一口に「肉」といっても、質が全然異なるのです。脂肪の多い肉を多食すればコレステロールを上げるだけではなく、大腸がんの引き金になることもあります。肉自体ではなく、動物性脂肪ががんの素になってしまうのです。霜降り肉は確かに魅力的に見えるかもしれません。しかし、実態はコレステロール値が上がってしまう肉なのです。人工的に太らせた肉ではなく、自然に放牧されているような肉を食べていきましょう。具体的には、70グラム程度の赤身の肉を2日に1度の割合でたべるのがおすすめです。結構肉食でもいいのですよ! コゲはできるだけ避ける魚を焼いているとどうしても皮の部分コゲやすくなります。このコゲた部分については、発がん性があることが結構昔から言われてきました。しかし、魚に限らず、コゲた食品はできるだけ避けた方が良いのです。肉についてもコゲてしまえば、「ヘテロサイクリックアミン」という発がん性物質ができることがわかっています。肉を高温で調理する過程で、何らかの化学反応が起きているのでしょう。他にも、前述したポテトチップスで説明した「アクリルアミド」のような発がん性物質が、調理によっていろいろな形で現れることは十分に考えられています。現時点ではまだ発見されていないような発がん性物質もたくさんあることでしょう。コゲてしまった部分には、発がん性物質だけではなく、AGEもたっぷり含まれます。肉を焼くと、生肉の10倍にもなるAGEができるのです。バーベキューでコゲたフランクフルトソーセージはおいしそうに思えるかもしれませんが、加工肉にはそれ自体に発がん性物質も含まれていますし、コゲ部分に発がん性物質が含まれていますので、健康を考えるならば絶対に避けておきましょう。 免疫力を高めたいのならば体を冷やさないことなんだか体がだるい…風邪かもしれない…というときに熱を測ることが多いと思いますが、脇の下などで測る体温のことを「皮膚体温」と言います。体の奥の方の「深部体温」に比べて、皮膚体温は1度近く低くなるのです。皮膚体温で36.5度くらいならば、私たちの体の機能が最もよく働く温度だと言えます。ところが、現代人は皮膚温度が35度くらいの低体温な人が増えています。50年前くらいの日本人の平均体温は36.8度だと言われていましたから、やはり食べ物などの生活環境の変化が影響しているのでしょう。この低体温ですが、何が良くないかというと、「体温が下がることで免疫力が落ち、がんやあらゆる病気にかかりやすくなる」という点があります。低体温ですと血液の流れも悪くなりますので、循環器の疾患はもちろんのこと、肩こりなども起こりやすくなります。冬場はもちろんですが、夏についてもクーラーの温度を下げすぎたり、冷たいものばかりを食べるのはやめましょう。しょうがやとうがらしなどの体を温める効能があるものを入れた温かいスープを意識的にとり、体温を上げるようにしましょう。 油を使うならオリーブオイル!なぜオリーブオイルが良いとされるのかサケの脂肪は多価不飽和脂肪酸であるオメガ3が多くなっています。青魚に含まれるDHAやEPAはこのオメガ3系に属しています。一時期、オメガ6系のリノール酸が健康にいいという噂があり、トウモロコシやヒマワリを原料とした油が世に蔓延しました。ところが、現在の研究では、リノール酸は動脈硬化を進行させることが分かっています。さらにバターの代わりにマーガリンを使う方が良いとされた時代もありましたが、マーガリンは本来液体である植物性の油を人工的に固形にした不自然な物質です。このマーガリンに含まれるトランス脂肪酸は非常に危険な物質で、心疾患を増やすということが分かっています。そのため、現在欧米ではトランス脂肪酸の使用が厳しく規制されているのですが、日本では全然そのようなことはありません。スーパーでもコンビニでもマーガリンは購入できますし、菓子パンやスナック菓子いんは多くのマーガリンやショートニングといった油が使われています。しかし、そこにはトランス脂肪酸が多く含まれているということをしっかりと認識してください。このように、脂質については「良い」とされていたものが、数年後の研究では「危険」だと変わるものも多いため、その時の情報で飛びついて惑わされてしまうことも多いでしょう。現在で言えば、「ココナッツオイル」が良いと言われていますが、ココナッツオイルにはすでに発がん性が疑われています。科学的に証明がされていないためまだ確実ではありませんが、90%以上が飽和脂肪酸で、動脈硬化を進める動物性脂肪ですのでおそらくは危険なのではないかと言われています。その一方、オリーブオイルは昔から変わらずほぼ100%健康にいい油として言われています。2016年の研究では、エキストラバージンオリーブオイルは食後の血糖値を50mg/㎗以上下げられることが研究結果としてでています。摂取量としての目安は、大さじ1~2杯ぐらいが良いでしょう。しかし、オリーブオイルの中でも気を付けてほしいことはいくつかあります。高品質で加熱処理をしていないもの 製造日からあまり日付が経っていないもの ...BodykeLIVE kumi.fukagawa@example.comEditorBodykeLIVE
