筋肉は色で分けられる?赤と白の2種類の色って?
筋線維は現在7種類のタイプがあるとされています。が、これは現在わかっている筋線維の種類であって、実際に何種類なのかはまだ特定されていません。
この7種類の筋線維は、「速筋繊維」と「遅筋繊維」という2つのグループに分けられます。速筋繊維は5種類、遅筋繊維は2種類です。遅筋繊維は1種類なのですが、速筋繊維はさらに2つに分けられます。
実は筋肉は、この2つのグループで色を分けることができます。
- 速筋繊維
- 遅筋繊維
今回はこの2つに目を向けてみましょう。
Contents
速筋繊維と遅筋繊維はどんな繊維?
速筋繊維は収縮速度が速く、力も大きいのですが、スタミナはないのが特徴です。スプリント型の筋線維であるというわけです。一方で遅筋繊維は収縮速度が遅く力は小さい筋線維です。そのかわりスタミナはあるため、マラソン型の筋線維といえます。
速筋繊維は大きく分けて2つに分かれますが、タイプ1は収縮速度は非常に速いがすぐに疲れてしまう筋線維です。タイプ2は、遅筋繊維ほどスタミナはないけれども、タイプ1の速筋繊維に比べるとスタミナがある中間的な筋線維です。
遅筋繊維の色は赤、速筋繊維の色は白
遅筋繊維と速筋繊維、この2種類の筋線維は色が違います。遅筋繊維は赤い色をしています。ミオグロビン、チトクロームという赤いたんぱく質を多く含んでいるため筋線維自体の色が赤くなります。
これらのたんぱく質は酸素を筋線維中に摂りこむことでエネルギー生産を助けるという働きがあります。そのため、遅筋繊維はスタミナがあるわけです。
一方で速筋繊維はミオグロビンもチトクロームも少ないため、筋線維の色は白っぽくなります。
このように、速筋繊維を白い筋線維、遅筋繊維を赤い筋線維と呼びます。
人間の筋肉は中間色のピンク色が一番多い
では、中間的な速筋繊維のタイプ2については何色だと思いますか?両方の性質をもつタイプ2の筋線維は色も赤と白の中間でピンク色の筋線維なのです。
人間の場合は、ほとんどの筋肉が速筋繊維と遅筋繊維が半分ずつで構成されています。そのため、筋肉全体としてはピンク色になります。
しかし例外の筋肉もあります。
例えばふくらはぎの奥にあるヒラメ筋は、遅筋繊維が多く含まれているため、典型的な赤い筋肉になるのです。
それに対してふくらはぎの表面にある腓腹筋は、速筋繊維の割合が多いため白みがかっています。
ヒラメ筋のように日常的な動作で使う筋肉や姿勢を維持する筋肉は赤い筋線維が多く、ジャンプなど瞬発的な動きに使う筋肉は、白い速筋繊維が多い傾向があります。
競技によって付く筋肉は違う
オリンピックレベルの競技選手の場合、短距離走などのスプリンターは速筋繊維が多く、マラソン選手は遅筋繊維が多いという研究結果が出ています。また、同じ筋肉の中の白と赤の割合は遺伝で決まっているということがわかっています。
もしも子供を将来スポーツ選手になるように育てたいと考えている方は、生まれた時点でスプリンターとして向いているのか、それともマラソンに向いているのか、はたまた一般人レベルの筋肉なのかは生まれた時点である程度は決まっているということなのです。
これまでの多くの研究で、速筋繊維の割合をトレーニングによって増やすことは難しいとされています。
しかし、遅筋繊維を増やすことは長い時間をかければ可能なのでは?と言われています。つまり、マラソンランナーは素質だけに左右されず努力を続けることで勝ち上がれる可能性があるといえます。
それぞれの筋肉の鍛え方
速筋繊維と遅筋繊維についてある程度理解できたところで、それぞれの鍛え方についても紹介しましょう。
効率的に鍛えるためのポイントは次の通りです。
遅筋繊維(赤)の効果的な鍛え方
普段使われる筋肉でもあるため、日常的な動作の中でもある程度刺激することができますが、トレーニングで鍛えようと考えた際には、小さい負荷で長時間運動を行いましょう。
インターバルは短めに取るのもポイントです。筋肉に負荷がかかっている時間が短いと効率よく鍛えることができないので、継続的に筋肉を動かし続けられるような運動を選択すると良いですね。
具体的な運動でいうと、ジョギングやサイクリング、エアロビクスなどです。長時間続けられる有酸素運動を取り入れていきましょう。
先述したように筋肉を動かし続ける時間が長いほうが良いので、10分程度の短時間ではなく、30分、1時間というように長時間にわたって実践してみるのがおすすめです。
有酸素運動を長時間行えば、それだけ脂肪も燃焼するので、スリムな身体を目指すこともできます。遅筋繊維が増えればその分だけエネルギーも増えていくので、しっかり鍛えていきたいですね。
速筋繊維(白)の効果的な鍛え方
先述したように、トレーニングによって速筋繊維を増やすのは難しいとされていますが、トレーニングをするのとしないのとでは大きな差が出ることも考えられます。
ポイントになってくるのが、筋肉に高い負荷を与え、少ない回数のトレーニングを行うということ。また、トレーニング最中のインターバルは少し長めにとることを意識してみましょう。
運動でいうと、筋トレが効果的です。スポーツではパワー系の種目を選択し、瞬発的な力で筋肉を鍛えていくように心がけてみてはどうでしょうか。ウェイトリフティングの他にも柔道や空手といったスポーツも速筋繊維を使う機会が多いです。
筋肉が増えれば基礎代謝量もアップし、多少食べ過ぎただけでは太りにくい身体になります。引き締まった身体にもつながるので、積極的にトレーニングを行っていきましょう。
参考:(PDF)京都工芸繊維大学 情報科学センター:「速筋と遅筋にはどのような違いがあるのか」[PDF]
効率よく身体を鍛えることが大切
速筋繊維と遅筋繊維の赤白といった色や特徴についてご紹介してきましたが、それぞれ持っている役割は違うものの、どちらも身体にとって重要なものです。トレーニングをする際には、両方鍛えるのもおすすめ。
有酸素運動と筋トレといった、トレーニングの基本的な方法でこれらの繊維を鍛えていくことができるので、両方行いましょう。
特に速筋繊維は加齢によって少しずつ減少していくので、有酸素運動だけでなく筋トレも積極的に行うことが大切です。
http://bodyke-live.com/basic-knowledge/color-of-muscles/http://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2017/07/0f2db58809b2cf40c6e28733fd96bec0_m_1920-1024x640.jpghttp://bodyke-live.com/wp-content/uploads/2017/07/0f2db58809b2cf40c6e28733fd96bec0_m_1920-150x150.jpg基礎知識筋線維は現在7種類のタイプがあるとされています。が、これは現在わかっている筋線維の種類であって、実際に何種類なのかはまだ特定されていません。この7種類の筋線維は、「速筋繊維」と「遅筋繊維」という2つのグループに分けられます。速筋繊維は5種類、遅筋繊維は2種類です。遅筋繊維は1種類なのですが、速筋繊維はさらに2つに分けられます。実は筋肉は、この2つのグループで色を分けることができます。速筋繊維 遅筋繊維今回はこの2つに目を向けてみましょう。速筋繊維と遅筋繊維はどんな繊維?速筋繊維は収縮速度が速く、力も大きいのですが、スタミナはないのが特徴です。スプリント型の筋線維であるというわけです。一方で遅筋繊維は収縮速度が遅く力は小さい筋線維です。そのかわりスタミナはあるため、マラソン型の筋線維といえます。速筋繊維は大きく分けて2つに分かれますが、タイプ1は収縮速度は非常に速いがすぐに疲れてしまう筋線維です。タイプ2は、遅筋繊維ほどスタミナはないけれども、タイプ1の速筋繊維に比べるとスタミナがある中間的な筋線維です。遅筋繊維の色は赤、速筋繊維の色は白遅筋繊維と速筋繊維、この2種類の筋線維は色が違います。遅筋繊維は赤い色をしています。ミオグロビン、チトクロームという赤いたんぱく質を多く含んでいるため筋線維自体の色が赤くなります。これらのたんぱく質は酸素を筋線維中に摂りこむことでエネルギー生産を助けるという働きがあります。そのため、遅筋繊維はスタミナがあるわけです。一方で速筋繊維はミオグロビンもチトクロームも少ないため、筋線維の色は白っぽくなります。このように、速筋繊維を白い筋線維、遅筋繊維を赤い筋線維と呼びます。人間の筋肉は中間色のピンク色が一番多いでは、中間的な速筋繊維のタイプ2については何色だと思いますか?両方の性質をもつタイプ2の筋線維は色も赤と白の中間でピンク色の筋線維なのです。人間の場合は、ほとんどの筋肉が速筋繊維と遅筋繊維が半分ずつで構成されています。そのため、筋肉全体としてはピンク色になります。しかし例外の筋肉もあります。例えばふくらはぎの奥にあるヒラメ筋は、遅筋繊維が多く含まれているため、典型的な赤い筋肉になるのです。それに対してふくらはぎの表面にある腓腹筋は、速筋繊維の割合が多いため白みがかっています。ヒラメ筋のように日常的な動作で使う筋肉や姿勢を維持する筋肉は赤い筋線維が多く、ジャンプなど瞬発的な動きに使う筋肉は、白い速筋繊維が多い傾向があります。競技によって付く筋肉は違うオリンピックレベルの競技選手の場合、短距離走などのスプリンターは速筋繊維が多く、マラソン選手は遅筋繊維が多いという研究結果が出ています。また、同じ筋肉の中の白と赤の割合は遺伝で決まっているということがわかっています。もしも子供を将来スポーツ選手になるように育てたいと考えている方は、生まれた時点でスプリンターとして向いているのか、それともマラソンに向いているのか、はたまた一般人レベルの筋肉なのかは生まれた時点である程度は決まっているということなのです。これまでの多くの研究で、速筋繊維の割合をトレーニングによって増やすことは難しいとされています。しかし、遅筋繊維を増やすことは長い時間をかければ可能なのでは?と言われています。つまり、マラソンランナーは素質だけに左右されず努力を続けることで勝ち上がれる可能性があるといえます。それぞれの筋肉の鍛え方速筋繊維と遅筋繊維についてある程度理解できたところで、それぞれの鍛え方についても紹介しましょう。 効率的に鍛えるためのポイントは次の通りです。遅筋繊維(赤)の効果的な鍛え方普段使われる筋肉でもあるため、日常的な動作の中でもある程度刺激することができますが、トレーニングで鍛えようと考えた際には、小さい負荷で長時間運動を行いましょう。インターバルは短めに取るのもポイントです。筋肉に負荷がかかっている時間が短いと効率よく鍛えることができないので、継続的に筋肉を動かし続けられるような運動を選択すると良いですね。具体的な運動でいうと、ジョギングやサイクリング、エアロビクスなどです。長時間続けられる有酸素運動を取り入れていきましょう。 先述したように筋肉を動かし続ける時間が長いほうが良いので、10分程度の短時間ではなく、30分、1時間というように長時間にわたって実践してみるのがおすすめです。有酸素運動を長時間行えば、それだけ脂肪も燃焼するので、スリムな身体を目指すこともできます。遅筋繊維が増えればその分だけエネルギーも増えていくので、しっかり鍛えていきたいですね。速筋繊維(白)の効果的な鍛え方先述したように、トレーニングによって速筋繊維を増やすのは難しいとされていますが、トレーニングをするのとしないのとでは大きな差が出ることも考えられます。 ポイントになってくるのが、筋肉に高い負荷を与え、少ない回数のトレーニングを行うということ。また、トレーニング最中のインターバルは少し長めにとることを意識してみましょう。運動でいうと、筋トレが効果的です。スポーツではパワー系の種目を選択し、瞬発的な力で筋肉を鍛えていくように心がけてみてはどうでしょうか。ウェイトリフティングの他にも柔道や空手といったスポーツも速筋繊維を使う機会が多いです。筋肉が増えれば基礎代謝量もアップし、多少食べ過ぎただけでは太りにくい身体になります。引き締まった身体にもつながるので、積極的にトレーニングを行っていきましょう。参考:(PDF)京都工芸繊維大学 情報科学センター:「速筋と遅筋にはどのような違いがあるのか」効率よく身体を鍛えることが大切速筋繊維と遅筋繊維の赤白といった色や特徴についてご紹介してきましたが、それぞれ持っている役割は違うものの、どちらも身体にとって重要なものです。トレーニングをする際には、両方鍛えるのもおすすめ。 有酸素運動と筋トレといった、トレーニングの基本的な方法でこれらの繊維を鍛えていくことができるので、両方行いましょう。特に速筋繊維は加齢によって少しずつ減少していくので、有酸素運動だけでなく筋トレも積極的に行うことが大切です。BodykeLIVE 編集部 atorange+bodykelive.general@gmail.comEditorBodykeLIVE